「むかーし、むかし、あるところに…」
カンボジアに伝わるお話を知っていますか?
シェムリアップのプノンクロム、メコン川が縦断するクラチェ、かつての首都であるウドン、山岳民族が暮らすラタナキリ。
現地の人たちが口頭で伝承してきた4 つのお話を紹介します。
●シェムリアップ州・プノンクロムに伝わるお話●
カンボジア昔話①「将軍ハヌマーンと逆さの山」
●クラチェ州・メコン川に伝わるお話●
カンボジア昔話②「隠れてしまったメコン川のイルカ」
●コンポンスプー州・ウドン山に伝わるお話●
カンボジア昔話③「龍の洞窟とウドン山の大仏」
●ラタナキリ州・クルン族に伝わるお話●
カンボジア昔話④「長老クロンヨンの洞窟とストーンフィールド」
~土地に伝わる話を探して~
今回紹介した4つのお話、じつは日本の団体「一般社団法人ホワイトベース」が集めたもの。
カンボジア各地を訪ね歩き、土地に伝わる昔話を聞き取って物語にまとめる「カンボジア民話発掘・保存プロジェクト(CAMBODIA FOLKLOREARCHIVE)」という活動を行っている。
同団体の代表を務める石子貴久さんに話を聞いた。
「この活動を始めたのは2012 年頃。本屋をのぞくといくつか児童用の絵本はありましたが、多くは近隣諸国の昔話やどこかの童話のリメイク版のようなもの。“カンボジアの昔話” と言えるオリジナルの話は少ないのが現状でした」。
そこで、まだ口頭伝承でしか伝えられていない地方の民話、伝説、昔話などを土地の老人にヒアリングし、絵本化することを思い立ったという。
各地を訪ね歩くと、地元では有名でも全国的には知られていない、その土地の歴史や文化、風土に根ざした話に出会えた。
聞き取った話をまとめたら、自ら絵を描いて紙芝居に。
日本の若者たちといっしょにカンボジアの小学校を訪れ、地元の子供たちといっしょに絵に色をつけて紙芝居を上演する活動も行っている。
「当初から比べると、最近ではカンボジアの本屋にもいろんな本が並ぶようになりました。私たちの団体が集めた各地の話もそこに並ぶのが目標です。昔話の発掘、伝播活動を通してカンボジアの文化復興にも貢献できたら」と語る。
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