NyoNyumの名物連載「カーロッシー」番外編!
今回はNyoNyum92号の特集でも紹介したポイペトの町で出会ったタイへ出稼ぎに行く人々のお話をお伝えします。
カーロッシーとは?
人は何のために働くのか。カンボジアの人々の答えは明快、「食うため」。彼らは、働くことを「カーロッシー(食いぶち探し)」と呼ぶ。汗と涙を流しながらも、日々淡々と行われるその営みを紹介する。
できることなら地元で働きたい
毎朝、ポイペト国境では多くのカンボジア人がタイへ向かって流れていく。彼らと一緒にずんずんずんずん歩いていくと、小さな事務所の窓口から「黄色い紙」を手に取る様子が見られる。この紙を持って、今度は出入国管理事務所で手続き。多くのカンボジア人が「日帰り出国」の手続きをしているのだ。タイムリミットは朝8 時から夜10 時まで。一体彼らは何をしているのだろうか? ニョニュムスタッフも国境を越えて、向こう側のカンボジア人に突撃インタビューを試みた。
タイ側の街、アランヤプラテートにあるロンクルア市場やその周辺では、多くのカンボジア人が仕事をしている。ミニバンなどによるタイ国内各地への移送サービスをする人、ジュースや果物、お菓子を売る人、リヤカーいっぱいに荷物を積む人。タイに入国したのだからタイ語を話さなければならないのかと思いきや、あちこちでクメール語が飛び交う。そんな一角で出会ったまだ少年の幼さを残す25 歳の男性は、ポイペトから毎日国境を越えて行き来し、この場所で建材のゴムシートを売る仕事をしているそうだ。1 日の売り上げから手にする利益は300 バーツほど(約9 ドル)。妻子持ちで一家の生計を担う彼にとって十分な額とはいえないものの、ポイペトで働くよりは稼げるのだという。
続いて入国管理事務所のあたりをフラフラしていると、黄色い紙の手続きの人たちとちょっと離れて、まとまって並んでいる人たちがいた。これからどこへ行って何をするのか聞くと、タイの地方都市で2 年間、建築現場の労働者として働くのだという。数回目の出稼ぎだという30 代の女性はバンテアイミエンチェイ州シソフォン出身。離婚して2 人の息子を両親に預け、出稼ぎに行くそうだ。給料は1 カ月1 万バーツ(約300 ドル)。タイ語は日常会話なら問題ない。でもやっぱりカンボジアで、子どもたちのそばで働きたいのでは? そんな問いに「もちろん、国内に仕事があれば国にいたいわ」。周りのみんなもうなずいた。
テクノパークポイペトでは、こうしてタイへ出稼ぎに行く人たちにとっての新しい雇用の地となることを願っている。統計によると、ポイペト周辺のバンテアイミエンチェイ州、バッタンバン州、シェムリァップ州の人口は約300 万。彼らがタイへ出稼ぎに行かずとも、カンボジア国内で働ける場を提供する。それもテクノパークのミッションの一つだ。
ポイペト特集詳細はこちら
NyoNyum92号
特集「いま、ポイペトが熱い!~カンボジア経済の新たなる牽引拠点となるか」
【~カンボジア国内おすすめ観光地巡り~】第7回 “タイとの国境の町ポイペト見どころ案内”
●PDFで見たい方はこちら 「NyoNyum92号ポイペト特集PDF版」
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