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アーティストになりたい

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7月下旬ごろからオンドンルッセイ村でも田植えが始まりました。カンボジア伝統陶器プロジェクトのメンバーたちもこの時期は田植えに専念します。8月に出産予定のナラーも夫のドゥーンと一緒に田んぼにいました。今にも生まれそうな大きなお腹です。「うちは夫婦2人だけでやってるから大変よ」と彼女。まだ2才の息子、キロは田んぼの中で泥んこ遊びをしています。

夕方近く激しい雨がやってきました。冷たい雨に叩かれながらも田植えは続きます。田んぼから帰ったナラーは産気づいて村の診療所へ。7月31日午後6時半に無事出産。直前まで田んぼに出て働いていた彼女。なんて強い人だろう。その生命力の輝きは生まれたばかりの女の子、ナッダーちゃんにも結晶しています。

「好きな仕事を自分で選べるように子どもたちを高校へ、出来れば大学まで行かせたい」。ナラーの夢です。彼女自身は小学校2年生頃から素焼き作りを始めて中学校へは行ってません。シェムリアップの窯で働いていたこともありますが、村に帰ってきました。2009年に私たちのプロジェクトに参加、 2010年に結婚、 2011年には第1子誕生。彼女の人生はこの村に根付いて続いていきます。彼女自身の夢を尋ねると少しはにかみました。「カンボジアで有名なアーティストになりたい」。土と生きる人たち。その健やかな美しさ、強さを彼女なら表現できるはずです。

明 博史(Hiroshi AKE)
カンボジア伝統陶器プロジェクト、コーディネーター。陶器生産を地場産業として盛り上げるべく、セールス、マーケティング、生産管理などを担当。日本でテレビニュース・ドキュメンタリー番組制作、写真、ウェブサイト制作などメディアの仕事に関わったあと、2000 年、初カンボジア。2009 年、地雷・不発弾対策支援NGO のカンボジア事務局代表としてバッタンバンに赴任。任期終了後、「カンボジア伝統陶器プロジェクト」に参加。このコラムでは村のメンバーたちのストーリー、声を伝えていきます。

2013.10-11月号(第67号)掲載