ソー・モニーレットさん(23)は、現在、日本の東京都市大学のライフサイクルアセスメントの修士課程の学生である。スヴァリェン州立高校出身で、全国最優秀の成績で卒業した。モニーレットさんはさらに、4年間の学部奨学金を受けて、タイのタマサート大学 (シリントーン国際工科大学) で上位 10% のランクの最優秀学部生として卒業した。タイの大学で修士課程を終えて、2022年度に日本で博士課程の奨学金を取得し、現在は日本で熱心に研究に取り組んでいる。
タイ留学の経験は?
「日本に留学する前は、私はタイで土木建築の学士号取得のために4年間勉強しました。タイでの生活は食べ物、気候、文化の観点から見るとカンボジアと非常に似ています。そして教育制度に関しても発達していると思います。大学のカリキュラムも教育環境も優れているし、研究用の資料も多くあります。特に実験室はより現代的で充実した設備が整い、タイ国外から教授や教員が採用されています。タイでの学部留学生としての4年間は、それほどのストレスがありませんでした。カンボジアの学生は、頑張ればタイでの留学は問題ないと信じています。」
4年間お世話になったタイの指導教授との記念写真
日本留学のための奨学金を申請したきっかけは?
「実は私が高校生の時、2016年10月に東京で10日間の日本インターンシップに参加する機会を得ました。日本に到着すると、すぐにその恵まれた気候、快適な生活環境、充実した教育制度、先進的な技術を備えた日本が大好きになりました。こうした日本の優れた点を見て、私もいつかこの国に留学したいという夢を持つようになりました。それを振り返ってみると、今、この夢がついに叶いましたね!」
タイと日本への留学のための奨学金を得るには?
「2017年に高校を卒業した後、海外留学をしようと思い、いろいろな奨学金を調べました。学校や大使館で配布されていた奨学金の情報を収集するために、タイ教育省と協力したシリントーン女王の奨学金プログラムであるタイの学部奨学金試験を受けて合格しました。タイの大学で4年生の時は、卒業論文を執筆する傍ら、日本で修士号を取得するための奨学金を探しのアンテナを張って奨学金情報を収集していました。調べていたところ、“Gotoh Education Cooperation Tokyu Group Scholarship”という奨学金を見つけました。この奨学金支給制度は透明性と中立性がり、私が大学全校の学生の上位10%の中で試験に合格しため、最終的にこの奨学金制度に最終候補者として選ばれました。」
なお、“Gotoh Education Cooperation Tokyu Group Scholarship”は日本とタイの大学の提携から生まれた奨学金制度であり、奨学金受給者のほとんどがタイ人である。今までは大学全校の生生上位10%の中からタイ人学生1人が厳選されていた。この奨学金の応募条件としては、進学用の学習計画書と英語の能力、大学からの推薦だと言う。また、研究への高い好奇心と一般知識が求められる上に、面接時の話し方などの態度もみられる。この奨学金制度は、5年間の授業料や宿泊費、研究費、および年間約100万円の生活費も支給されている。
最優秀学部生としての証明書
日本で驚いたことは?
「初めて日本に来たとき、最初に興奮したのが日本人の生活の在り方でした。日本人は規律正しく、公的な場での態度も良く、他人のことに気遣いをし、穏やかな人格をもっています。働き方と言えば、日本人は仕事を大事にし、明確な目標を立てて働いていると思います。そして、日本に来て驚いたもう一つのことは、孤独感を覚えたことでした。タイでの生活やと祖国カンボジアと違って、日本での生活の中では人とゆっくりおしゃべりしたりする機会が滅多にありません。日本の学生は自己学習と研究に熱心に取り組んで、自分が望むことを達成しようと頑張っている人が多いようです。このような孤独感の問題を解決するために、空いている時間には同じカンボジア人の学生たちと連絡を取り合って楽しい時間を共有しています。」
2023年2月に東京ビックサイトで開催されたインフラ関連の展示会にて
日本での生活で困っていることは?
「日本語を少し学んで、日本に来たため日本語の扱いに苦労しています。そのため、スーパーやレストランで英語を話さない日本人と話す時は非常に難しいです。その時はGoogle翻訳を使用し、問題解決を何とか出来ています。大学内では外国人向けの日本語の短期講座を通じて日本語の学習に励んでいます。」
レジャーは?
「私にとってレジャーは、人生と仕事、勉強において非常に重要です。知っている限りでは、日本人は仕事に熱心で、勤務時間帯や学校の時間中にはあまりおしゃべりしていません。生真面目な日本人の人柄に我々が付いて行けない点が多くあります。その結果、ストレスを感じてしまいます!そのため、週末になると、私はカンボジア人の先輩のところに出かけて一緒に夕食を食べたり、運動をしたり、一日中どこかへ行って過ごすなど、何か楽しいことを考えて行動します。だが、今は研究に段々忙しくなっているので、月に一回か二回程度出かけるくらいです。」
将来の夢は?
「実は、私の将来の目標はもう決まっています!日本で5年間の修士号と博士号を取得した後は日本で就職し、しばらくは日本での就労経験を積みたいです。その後は、祖国に帰り、大学の教授になりたいです。カンボジアの学生に自分の海外留学の経験と知識、就労スキルなどを共有し、私と同じように海外で学ぶ機会を指導したりしたいです。」
上の写真は在日カンボジア大使館が主催したイベントで元外務大臣と大使と記念撮影
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