2003年から発行している「カンボジア生活情報誌NyoNyum」内でプノンペンやシェムリアップはじめ、カンボジア各地の風景や生活を紹介してきた「フォトさんぽ」コーナーをNyoNyum Webマガジンでも紹介します♪
カンボジアの人々は、自然の恵みを余すところなく生活に活かしている。
そのひとつがヤシ砂糖だ。カンボジアの象徴でもある、天に向かってまっすぐ伸びる砂糖ヤシの花序液を煮詰めて作られる。
コクのある味わいは料理を引き立ててくれ、ソムローカリーやクイティウのスープなど、カンボジアを代表するいくつかの料理は、ヤシ砂糖を使わなくちゃ本物の味にならないと語る人も多い。
タケオ州でヤシ砂糖作りを営む農家を訪ねてみた。
ちょうど雨期に当たる今は花序液が少なく、2、3日に一度ようやく出荷できる量にしかならないそうだ。
大きな鍋で花序液を3、4時間煮立て、赤みを帯びた黄金色になったら20分ほどひたすら棒でかき混ぜ続け、粘りが出たら型に流し込んで固める。
添加物などの混ぜ物は一切ない。
これで卸値が1キロ 4000リエル。
手作りの天然砂糖が身近にあり安く手に入れることのできる私たちは幸せだが、手間のわりに見返りが少ない農家の現状を知り、喜んでばかりもいられないと感じたのだった。
<NyoNyum No.84より>
写真、文 Photo & Text : Ven Kanha
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