NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」
ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。
今回は、だれでも自宅でできるイボの治療法について。
イボはテープで治せる !
ここでいうイボとは尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)のことである。
仰々しい医学用語であるが「普通のイボ」という意味である。
ヒトパピローマウイルスによる感染症で、手や足にできやすい。
治療はレーザーで焼く、液体窒素で凍結させる、などの方法があるが、痛いし、何回も通う必要がある。
他にヨクイニンという免疫力を上げる漢方薬もあるが、効いているのか効いていないのか、よくわからない。
カンボジアで開業して間もなくの頃、尋常性疣贅の患者さんが来た。
近隣の病院で液体窒素を分けてもらおうとしたが、どこにもなかった。
では、どのように治療するのかと聞いたら、答えは「放置」。そのうち治るから、というのがその理由だ。
それからこの病気の治療はあきらめていたが、数年前なんと自分の指にできてしまった。
親指の腹に 1 個だけで、痛くもかゆくもないのだが、日毎に大きくなるし、じゃまなことこの上ない。ウオノメに使う絆創膏を貼ったり、カミソリで削ったりしてみたが、完治には至らない。
半年が経過した頃、アメリカの医学論文で「ダクトテープが治療に有効」というのを発見した。
ダクトテープとは家庭用品の修理や補修に用いるもので、もちろん医療器具ではない。
半信半疑で自分の指のイボに貼ってみた。
するとどうだ!徐々に小さくなり、数週間で消えてしまった。再発もない。
以来、何例も治療しているが非常に有効である。
(この記事は2017年10月に発行されたNyoNuym91号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)
医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。
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34:MEC食(前編)
35:MEC食(中編)
36:MEC食(後編)
37:世界三大感染症 その①結核
38:世界三大感染症 その②エイズ
39:世界三大感染症 その③マラリア
40:ビールと血糖値の関係
41:「消化の良い食べ物」とは?
42:インフルエンザ予防は年2回のワクチンで
43:飲むなら「ゼロ」
44:イボはテープで治せる!
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