Moi Moi ライフ #65 “これまで” と“これから”
Moi Moi ライフ #65  “これまで” と“これから”
2023.01.05

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味。恵み豊かなカンボジア
でのスローライフをお届けします)

シェムリアップで暮らす小出陽子さん。NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、「“これまで” と“これから”」です。

 

“これまで” と“これから”

月日が経つのは早いもので、私が運営に関わっているカンボジアローカルNGO「JST」も、活動を始めて四半世紀という年月が経ちました。当初はアンコール遺跡修復事業に携わっていた日本人駐在員が中心となって、修復作業員が住む村の道路や橋の建設を、村人と一緒に手作りで行っていましたが、次第に、村の子供たちの健康や教育の充実や小学校校舎建設へと支援の対象を広げていくようになりました。特に力を注いできたのは、将来、村を支える若手人材の育成です。村民自身が考え、行動する場をつくることによって、村全体の持続的な生活環境向上を目指してきました。活動を始めて15年ほど経ったころ、私たちの活動を子供のころから見てきた村の青年が僧侶となり、村内の道路を修繕し、村の子供たちを集めてPC教室や道徳の授業を行うなど、自ら行動を起こす村人も出てきました。

そして2013年。バイヨン中学校創設後は、学校教育という現場で周辺5村の子供たちの教育に真っ向から取り組むことになりました。2019年には高校も併設され、生徒数1000人となったバイヨン高校・附属中学校での現在の活動は、教育省から派遣された校長とJSTカンボジア人代表が中心となって、カンボジア流に行っています。

そんなバイヨン高校・附属中学校も、来年は創立10年の節目を迎えます。これを機に、JSTのホームページも刷新することになりました。テーマは「“これまで"と“これから"」。2012年から始まった私のニョニュム連載を通して、この10年のカンボジア農村のこと、学校運営のあれこれを知っていただくスタイルにもなっています。そして今年度からは、毎年、200人前後の卒業生が高校を巣立っていきます。これからは彼ら卒業生が自分たちの村を盛り上げ、さらに周辺の地域のために活躍してくれることを期待しつつ、私自身の“これから"も模索し始めているところです。

(この記事は2022年12月に発行されたNyoNuym122号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

 

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

1992年早稲田大学大学院卒。一級建築士。2000年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のため、カンボジアに赴任。2005年~ 2020年、シェムリアップにてレストランCafe Moi Moi を経営。2005年JST(NGO:アンコール人材養成支援機構)を設立し、農村地域の支援活動を始める。2013年“アンコールの都の西北” に公立のバイヨン中学校を創設。2019年には高校も併設され、現在、全校生徒1,000 人の学校運営を行っている。
JSTホームページ 

 

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38:4人目の勤続10年スタッフ
39:#cafemoimoi で繋がる輪
40:ノンちゃんはトリリンガル
41:粋なお福分け
42:魅惑のカンボジア発酵魚料理
43:NyoNyumとカンボジアと私
44:村の中学生たちの日常
45:中学校退学者のその後
46:バイヨン高校がほしい!
47:バイヨン高校、ついに開校!
48:他国事(ひとごと)ながら
49:”パプリカ“歌って英語授業!
50:”サイクリングブーム
51:将来の夢はYouTuber!
52:ナーガ・シンハ彫像修復プロジ ェクト終了!
53:Cafe Moi Moi コロナ禍で一時休業へ
54:バイヨン中高校先生方のコロナ禍副業
55:話し出したら止まらない“将来の夢!”
56:Moi Moi Farmでマンゴー狩り!
57:"一家に一農園"ブーム到来?
58:『インドラネット』
59:日本にもクメール寺院が!
60:コロナ禍乗り越え、 自立したスタッフたち
61:公立学校の教師不足、次なる一手へ
62:教師の頑張りに感謝!
63:政治はまつりごと、選挙は祭りなり
64:学校閉鎖中の生徒たちの学習はいかに?
65:“これまで” と“これから”

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