(日本語) アンコール見聞録 #15 アンコールワットの睡蓮
(日本語) アンコール見聞録 #15 アンコールワットの睡蓮
2020.02.01

NyoNyum Magazine にて連載しているコラム「アンコール見聞録」

上智大学アジア人材養成研究センター現地責任者として、シェムリアップでアンコール建築に関する研究を行っている三輪悟さんが、アンコール建築の歴史や、遺跡の周りで営まれる生活、カンボジアにまつわるあれこれを綴ります。

今回は、アンコールワットの堀に咲いている、美しく、おいしく、お洒落なお花について。

アンコールワットの睡蓮

アンコールワットの堀の睡蓮
アンコールワットの堀の睡蓮

アンコールワットの堀は睡蓮の花が咲き誇り、堀を渡る参道を歩く際に目を楽しませてくれる。

睡蓮は花弁が開くのは昼までで午後にはすぼんでしまう。
花を見たい人は午前中の早い時間帯に訪れることをお勧めしたい。

アンコールで働く作業員らがこの茎を集めて調理して食べていることはご存じだろうか ?

花の下の水中には1m 以上の長い茎がある。
スープに入れたり炒めたり様々な食べ方がある。

茎を使った炒め物
茎を使った炒め物

味はどうかというと、シャリシャリとさっぱりして美味しいのである。

水面の花は今日採ると翌日には次の花が水面下より姿を現すため、日々楽しむことができる。

カンボジア人は自然の花を実に上手に加工したり飾りつける豊かな感性と才能を持っている。

睡蓮の場合も可愛らしく切り細糸を伸ばして首飾りを作り、男性が女性にプレゼントするなど、思いがけない加工・活用方法がある。皆さんも水面の睡蓮を見て、新しい用い方を想起してみませんか。

(この記事は2019年10月に発行されたNyoNuym103号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 三輪 悟(みわ・さとる)

上智大学アジア人材養成研究センター(シェムリアップ本部)助教
1997年10月よりシェムリアップ在住。専門はアンコール建築学。NyoNyum89号(2017年6月号発行)より遺跡やカンボジア生活にまつわる本コラム『アンコール見聞録』を連載。

 

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過去の記事

5:アンコールワット西参道前の広場
6:アプサラ機構専門家による熊本視察
7:死んだカエルと干しガエル
8:アンコールワットの矢ワニ
9:西参道正面北側のナーガ
10:石の穴 あいたり、消えたり
11:遺跡内は犬禁止
12:米価が3倍になる継続性
13:外国人の遺跡入場者数
14:仏人がジャワに学んだ修復手法
15:アンコールワットの睡蓮

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