NyoNyum Magazine にて連載しているコラム「アンコール見聞録」
上智大学アジア人材養成研究センター現地責任者として、シェムリアップでアンコール建築に関する研究を行っている三輪悟さんが、アンコール建築の歴史や、遺跡の周りで営まれる生活、カンボジアにまつわるあれこれを綴ります。
今回は、カンボジアと日本の天気の違いについて。
「今日はいい天気?」~日本とカンボジア~
「カンボジアって東京より涼しいですねえ」
近年日本から着いたお客さんが空港出口で言う言葉だ。
気象庁によると、東京の昨年の年間平均気温は 16 度。8 月の平均気温は 27 度、湿度は 78% であった。
一方、アンコールワットで上智大調査団が行っている気象観測によると、昨年の年間平均気温は 28 度、湿度は 77%、最高気温は 41 度(4 月 11 日)、最低気温は 14 度(1 月 26 日)であった(藁谷哲也教授調べ)。
東京の 8 月とカンボジアの年間平均データを温湿度の点で比較すると、両者は確かに「似ている」。
これに住宅環境、その他各種要因が加わると、東京の方が体感的には不快度が高いということであろう。
晴れて太陽が輝く日本人がイメージするいわゆる「ピーカン」を、カンボジアでは「いい天気」とは言わない。
なにせ統計上、年間を通じて日本の 8 月同様であるから暑いのである。朝から適度に雲があり涼しい状態をカンボジアでは「いい天気」と表 現する。
さあ、皆さん今日も「いい天気」の良い一日で !
(この記事は2017年8月に発行されたNyoNuym90号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)
上智大学アジア人材養成研究センター(シェムリァップ本部)助教
1997年10月よりシェムリァップ在住。専門はアンコール建築学。NyoNyum89号(2017年6月号発行)より遺跡やカンボジア生活にまつわる本コラム『アンコール見聞録』を連載。
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