2003年のNyoNyum創刊当初から連載している「ボンユキエッセイ」。
カンボジアに長年住むと街の移り変わりが見えてくる。
おもしろくもあり、どこかもどかしくもある。
通訳、翻訳、会社経営に奮闘中のボンユキこと山崎幸恵がおくるカンボジアあれこれ。
今回は、隔離生活について。
隔離生活三昧!?
2.20事案と呼ばれるカンボジアの新型コロナウイルス感染症の市中感染。
1カ月ちょっとで終息した昨年の市中感染とは違い、かれこれ4カ月となるが、感染拡大が日々報道され、終息の兆しはまだ見えない。
感染者が発見された建物だけが閉鎖されるという措置がとられていたが、4月頃から飲食店の店内飲食禁止、酒類の売買禁止、夜間外出禁止と、日々新たな措置が発表されていく。
そしてついに、4月15日より2週間のプノンペン都・カンダール州タクマゥ市のロックダウンとなった。
この1年強、カンボジアでは縁遠いように思っていたその言葉。
クメール語ではバットクトップ(បិទខ្ចប់)というのだということを初めて知った。
4月15日と言えば、クメール正月休暇2日目。前日に我が家でも小さなお食事会を開き、あと4連休何をしようかなぁなんて考えていたところへの突然の知らせだった。
フン・セン首相のスピーチを聞いた。
「段階的にいろいろな措置を講じてきたが、もう勝てない。医療現場がもたない」。
その言葉を聞いて緊急事態なのだと身震いした。
それから14日間、自宅で過ごす生活が続く。感染者数はどんどん増えていく。
そんな中、私は5月2日のフライトで日本に行く予定を立てていた。PCR検査は4月30日。
14日間で解除されれば移動制限はなくなるのだろうか?
延長したとしても、検査やフライトのための移動は許可するとされていたので問題ないとは思うが…。
そんなことを思いながら日本行きの準備をする。
日本でも入国者は14日間の自主隔離となる。
空港から隔離場所まで→ 15泊の宿泊→隔離場所から自宅までのハイヤーというパッケージのサービスを予約した。
ロックダウン解除の前夜、今度は、「解除はするが赤・橙・黄色のゾーンで区切ってロックダウンを続ける」という情報が
流れた。
うちの地域は…。橙だったが、それなりに制限がある。
犬を飼い始めたのでこの子を友達に預けたりするのに外に出ていいのだろうか??
そんなことを考えていたら、夜になり、突然新しいゾーンの情報が。なんと、うちがレッドゾーンに入ってるではないか!
それから荷物をまとめてイエローゾーンのホテルに避難。
そして犬を預け、PCR 検査、フライト…と目まぐるしい数日間を過ごし、日本に着いてこれまた14日間の自主隔離。
いったい私は何をしているんだろう?
この日本出張はこの1年間できなかった行政手続きや書類の整理が目的で、本当に弾丸だった。
正味平日4日間で仕事を終わらせ、再び5月23日のフライトでプノンペンへ。
そして入国後の14日間強制隔離。
なんともまぁ、この2カ月弱でホテル生活も入れるとほぼ半分が隔離生活、検査を5 回受
けるということになってしまったのだ。
ロックダウン、日本での自主隔離、プノンペン入国後の強制隔離。いろんな経験をしてきたものだ。
早く、そんなこともあったねぇ~と笑い話になる日が来ることを願うばかりだ…。
Cambodia Joho Service 代表
/日本カンボジア通訳翻訳家
神奈川県出身。在カンボジア歴、足掛け27年。
翻訳、通訳のほかカンボジア関連のアレンジやコーディネートを手がけることも。
仕事に追われつつも、大好きなビールは絶対に欠かさない。
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