2003年のNyoNyum創刊当初から連載している「ボンユキエッセイ」。
カンボジアに長年住むと街の移り変わりが見えてくる。
おもしろくもあり、どこかもどかしくもある。
通訳、翻訳、会社経営に奮闘中のボンユキこと山崎幸恵がおくるカンボジアあれこれ。
今回は、どんなお話なのでしょうか。
動き出したその先は?
仕事・生活のスタイルもすっかり変わり、コロナ前のような日本・カンボジアを往復しての仕事や、時々諸外国へ旅行に出るといった楽しみもすっかりなくなった。通訳のアテンドや出張で各地を歩くので運動になっていたのだが、今ではオンラインでの通訳、ありがたいことに依頼をいただいている翻訳で日々を過ごし、気づけば毎日ほぼ一日中座りっぱなし。すっかり運動不足に陥っている。
そんなときに、3 月末にようやく日本からの出張者がやってきた。施設の視察やミーティングなど、久々の終日アテンド。だが、翌日には足がパンパンに腫れ上がり、足の裏の痛いこと!身体の退化に愕然とした。
海外からのカンボジアへの入国の制限がほぼなくなり、日本もカンボジアをコロナの水際強化対策の「指定国」から外したことで、カンボジアと日本の往来が楽になった。外国人の入国はまだ制限がある
ので、これまでのような日本でのカンボジア人の研修といった業務は先のことになるだろう。でも、日本からの出張者はこれから少しずつ増えるのではないだろうか。私も個人的に日本へ頻繁に帰国して、いろいろな用事もできそうだ。それにASEANをはじめとする近隣国なら、ちょっとした旅行もできるかな。
完全な元の生活とはならなくとも、with コロナ、after コロナの生活が楽しめそうだ。そう思い、早速4 月に一時帰国することを決定した。すぐにチケットを手配し、入国の際の手続きに必要な準備を進めていると、ロシアとウクライナの戦争が始まった。メディアを通じてでしかわからない現地の限られた情報。実感できない戦争の恐怖。「核戦争」といった言葉を聞いても、まさか、そんなことが起きるはずはないと思っている自分がいる。
一方で、その間接的な影響は私たちの身の回りにも押し寄せている。カンボジアでもガソリン代が上がってきたし、配車アプリGrab の料金も上がった。円安が進み、航空券の値段も上がっている。日本でも食料品の値上げといったニュースが連日流れている。この先どうなるのか。いろいろ考えると頭がクラクラしそうになる。
でも、ここで立ち止まっているわけにもいかない。この先、世の中の変化をしっかり感じ、見極める必要がある。そして、周りの変化を嘆くのではなく、少なくとも自分の意志で自分の行動が決められる状態であることを喜ぼう。「足るを知る」。とにかく、4月の日本帰国をしてこよう。
Cambodia Joho Service 代表
/日本カンボジア通訳翻訳家
神奈川県出身。在カンボジア歴、足掛け28年。
翻訳、通訳のほかカンボジア関連のアレンジやコーディネートを手がけることも。
仕事に追われつつも、大好きなビールは絶対に欠かさない。
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