2003年のNyoNyum創刊当初から連載している「ボンユキエッセイ」。
カンボジアに長年住むと街の移り変わりが見えてくる。
おもしろくもあり、どこかもどかしくもある。
通訳、翻訳、会社経営に奮闘中のボンユキこと山崎幸恵がおくるカンボジアあれこれ。
今回は、ニョニュム20年を振り返るお話の第4弾です。
ニョニュム20年を振り返ってみよう!Part4
2023年はニョニュムが20周年を迎える年。前号に続き、この20年、私たちが何を見てきたのかを振り返ってみます。今回はPart4として、2018年~現在です。
この時期は、やっぱりなんといっても「紙媒体」と「デジタル」の間で葛藤を抱えた時期でした。カンボジアでもオンラインショップやFacebookなどの広告枠を使って自社製品やサービスをPRするといったことが増えてきて、自然に紙媒体への広告掲載は下火に。それでも、まだまだ「やっぱり紙媒体で手に取って読める雑誌は貴重ですよ !」なんて読者の皆さんから声をかけていただき、それがうれしくて雑誌を発行してきました。
しかし、「紙媒体を続けるのか、デジタル化していくのか」を本気で考えさせたのは、「コロナ前→コロナ禍→コロナ後」という流れでした。コロナ禍では、「通訳・翻訳部門」「雑誌・情報部門」「ショップ部門」のすべてが90%以上の売上減(これは精神的にも参りました)。そして、オンラインで通訳の仕事が増えてくると、これまでこだわってきたものから抜け出し、発想の転換をする時期なのかもしれない、なんて考えがもやもやし始めたのです。
私が出した結論は、「ニョニュム20周年となる2023年10月号をもって、紙媒体の発行を休刊し、オンラインで情報発信を続ける」というものです。この場をお借りして皆様にお伝えさせていただきます。この数ヶ月、少しずつお会いした方には口頭でお伝えしてきましたが、このように公の場で文字にするのは初めてです。20年間続けてきた雑誌ですから、それを休刊すると決めるのはたやすいことではありませんでした。でも、デジタルでまた何か新しいことが始められるのではないかというわくわく感もあります。
日本語での情報源がほぼないカンボジアで始まった「ニョニュム」。カンボジアの日常を伝えるのですから、ネタが尽きるということはありませんでしたし、これからも伝えたいコトがなくなることはないと思います。紙媒体としては 125号(本号)、126号(8-9月号)、127号(20周年号)の発行のみとなります。発信媒体は変わりますが、本質が変わらなければ、わたしたちは「ニョニュム」でい続けられる。そんなニョニュムをこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
Cambodia Joho Service 代表
/日本カンボジア通訳翻訳家
神奈川県出身。在カンボジア歴、足掛け28年。
翻訳、通訳のほかカンボジア関連のアレンジやコーディネートを手がけることも。
仕事に追われつつも、大好きなビールは絶対に欠かさない。
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