このコラムはプノンペンにあるラッフルズメディカルカンボジアの八木加奈恵先生がカンボジアで子育てを通じて様々な子供との接し方などを紹介していきます。
今回は「過保護」と「過干渉」についてお話します。
「過保護」と「過干渉」
私の子育てのバイブルは佐々木正美先生の本です。
佐々木正美先生は2017年に逝去されていますが、児童精神科医として多くの子供たちに寄り添って来た先生で、育児書や障害児関連の本を多数執筆されています。
これらの本の中で佐々木正美先生がいつも仰っておられることは「過保護」でダメになる子はいない、「過干渉」は子供をダメにするということです。
そこでまずこの二つの言葉の定義ですが、「過保護」とは子供が望むことをみな与えること、「過干渉」とは親が望むものだけを与えることです。
例えば抱っこしてほしい、一緒に遊んでほしい、おもちゃがほしい、お菓子を食べたいなどの子供からの要求は100%聞いてあげることは無理でもできる範囲のものは全て与えてあげると、子供は安心して周囲の人を信頼できるようになり子供の自立を促します。
一方親の過剰な干渉を受けると欲求不満や人間不信となり子供の自立を妨げてしまいます。
私も自分の息子たちに過保護の子育てをなるべく実践しています。
疲れていたりイライラしているときはつい過保護になれないときがありますが、そういう時は息子たちもどんどんワガママを言って収拾がつかなくなることが多いです。
一方息子たちの言い分をなるべく聞いて受け入れてあげると、彼らも私からのお願いを素直に聞いてくれるものです。
一般的に過保護は良くないと言われることが多いですが、その際の過保護というのは「過干渉」である場合がほとんどです。
みなさんももっと子供たちに「過保護」に接してみてはどうでしょうか?
ラッフルズメディカルカンボジア小児科専門医、総合診療医、タッチセラピスト。乳児検診、発達障害児診療、成人の心療内科等臨床経験多数。平日毎日出勤。2 児の母(子育て中)。
Raffles Medical Cambodia
<過去の記事一覧>
1:子供のストレスとどう向き合う?
2:友達付き合いの大切さ
3:不登校①
4:不登校②
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