このコラムはプノンペンにあるラッフルズメディカルカンボジアの八木加奈恵先生がカンボジアで子育てを通じて様々な子供との接し方などを紹介していきます。
今回は「挨拶の出来る子」についてお話します。
「発達と感覚」
感覚とは、私たちの身体の外から受け取ることができる刺激のことを言います。五感と言われる触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚はよく耳にしますが、私たちにはこのほかにも前庭覚、固有覚という無意識に使っている感覚があります。
前庭覚はバランスやスピードを感じる感覚で、固有覚は身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚です。
人間の感覚は、実は子供の発達の基盤となっています。特に重要なのが、触覚、前庭覚、固有覚の3つです。
どうして私たちは、黒板の字をノートに書き写すことができるのでしょうか?
卵の殻を潰さずに割ることができるのでしょうか?
こういった日常の動作は、これらの感覚がうまく働くことによってできるようになるのです。感覚に良い刺激を沢山入れることによって、我々の感覚はより上手く働くようになります。
触覚を刺激するには、ハグやマッサージなどのスキンシップをしたり、背中に字を書いて当てるゲームやくすぐり遊びなども有効です。
前庭覚や固有覚であれば、走り回るほかに、鉄棒で回転する、ブランコで揺れる、滑り台をすべる、綱引きで引っ張り合う、雲梯にぶら下がるなど様々な運動で刺激することができます。
このほかにも効率的に感覚を刺激できるのは赤ちゃんの動きである、寝返りやハイハイです。こういったものを遊びの中に取り入れ、楽しむことで子供の発達が促されます。
皆様も是非、お子さんと一緒に、楽しく感覚を刺激してみてください。
ハサミやお箸が上手に使えるようになったり、勉強に集中できるようになったり、お子さんのできることが少しずつ増えていくと思います。
ラッフルズメディカルカンボジア小児科専門医、総合診療医、タッチセラピスト。乳児検診、発達障害児診療、成人の心療内科等臨床経験多数。平日毎日出勤。2 児の母(子育て中)。
Raffles Medical Cambodia
<過去の記事一覧>
1:子供のストレスとどう向き合う?
2:友達付き合いの大切さ
3:不登校①
4:不登校②
5:「過保護」と「過干渉」
6:「共感の声かけ」
7:「スキンシップのすすめ」
8:「挨拶の出来る子」
9:「発達と感覚」
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