(日本語) どうしましたか #20 医療における『迷信』!?
(日本語) どうしましたか #20 医療における『迷信』!?
2020.02.01

NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。

今回は、治療後の過ごし方に関するよくある質問について。

医療における『迷信』!?

医療における『迷信』!?

前号の『都市伝説』特集では、いろいろな迷信について解説した。今号では、普段よくある質問と『一般常識』とされる事項についてお答えする。

1.予防接種後、当日の入浴や飲酒はいけない?

答:どちらもOK。全く問題なし。10年以上前からワクチン製造会社が配布している注意事項に「接種後当日の入浴は差し支えありません」と明記されている。
また、お堅い厚生労働省のHPにさえも「大量の飲酒は、それ自体で体調の変化をきたす恐れがあるので、接種後24時間はさけるべき」とある。つまり「普通の量ならよい」ということだ。

2.キズを縫った後は飲酒はしてはいけない?

答:よい。禁止する外科医もいるが恣意的に言っているだけのこと。筆者はこれまで何百人にも許可してきたが1回も問題が起きたためしがない。だいたいこういう質問をする人は、飲みたいから聞く。
さらに「飲んだら疼いて痛いですか?」と聞く人もいる。「痛くなったらもっと飲んでください。そうすれば痛みは消えます」と答えると。診察室に笑いが起きておしまい、となる。

3.抗生剤服用中は飲酒してはいけない?

答:ごく一部の抗生剤には二日酔いのような副作用をもたらすものがあるが、たいていは大丈夫である。

なんだか飲酒に関することばかりになってしまった。
確かによくある質問であるが、筆者がお酒好きなのも事実である。

(この記事は2013年10月に発行されたNyoNuym67号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

ケン・クリニックホームページ

次の記事:

前の記事:

過去の記事:

10:カンボジアの薬事情(前編)
11:カンボジアの薬事情(後編)
12:今年はデング熱の当たり年!?
13:医学的に正しい究極のダイエット法『糖質制限』
14:医学的に正しいダイエット法『糖質制限』その 2
15:医学的に正しいダイエット法『糖質制限』その 3
16:その『腸チフス』、本当!?
17:蚊に刺されたらハイドロコロイド
18:風疹ワクチンと先天性風疹症候群
19:鳥インフルエンザとワクチン
20:医療における『迷信』!?

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

関連記事

どうしましたか #80 ニョニュム最終号によせて

2023.10.25 医療医療コラム「どうしましたか」

どうしましたか #78 COVID-19 騒動の終焉宣言

2023.06.25 医療医療コラム「どうしましたか」

どうしましたか #77 コレステロールの真実(後編)

2023.05.09 医療医療コラム「どうしましたか」

おすすめ記事