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どうしましたか #29 アメイジング・グレイスを聴きながら

NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。

今回は、名曲とあるもののつながり、注意するべきことについて。

アメイジング・グレイスを聴きながら

カンボジアの市場などで飲むサトウキビジュースは美味しい。筆者もたまに飲む。
これを飲むときに思い出してほしい曲がある。「Amazing grace;アメイジング・グレイス」だ。

有名な曲であるが、成り立ちをご存じであろうか。作詞者はイギリスの牧師ジョン・ニュートンである。
彼は奴隷貿易船の船長であったが、奴隷の悲惨な扱われ方に辟易し、自己嫌悪し、辞職した後に牧師になった。そして 1772 年、アメイジング・グレイスを世に送り出したのである。
奴隷貿易に関わった悔恨と、それにも拘わらず赦しを与えた神の愛に対する感謝が歌詞に込められている。

当時のイギリスをはじめとするヨーロッパでは、紅茶に砂糖を入れる風習が盛んとなり、食べ物も砂糖漬けの甘いものが多かった。

この砂糖は悪名高き三角貿易によってもたらされた。
すなわちヨーロッパで武器を積み、西アフリカで奴隷と交換。奴隷は西インド諸島に運ばれサトウキビプランテーションで強制労働。
そこで得られた砂糖を積んだ船がヨーロッパに戻ってくるという図式であった。

砂糖は飛ぶように売れた。それほど砂糖は人間を魅了してやまなかったのである。

砂糖だけでなく米や小麦などの炭水化物は、大脳の側坐核というところを刺激して快感を得る。
この部位が『快楽中枢』または『報酬中枢』と呼ばれる所以である。

実はコカインなどの麻薬も側坐核を刺激することがわかっている。
つまり、炭水化物は麻薬と同様の嗜癖性、依存性があると言える。

炭水化物が人体に悪影響を及ぼすことはこれまでに述べてきた。やはりたまに嗜む程度がよい。

(この記事は2015年4月に発行されたNyoNuym76号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

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