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どうしましたか #33 虫下し薬は飲んだ方がいいの?

NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。

今回は、虫下しのお薬に関するあれこれについて。

虫下し薬は飲んだ方がいいの?

外来でよくある質問のひとつに「虫下しの薬は定期的に飲んだ方がよいのでしょうか ?」というのがある。
実際カンボジア人でも飲んでいる人は少なくない。私の答えは「症状がないなら飲む必要はない」である。

「虫下し」の対象となるのは消化管寄生虫で、長いと 10メートルを超えるサナダムシ、30 センチ前後のカイチュウ、1 センチ前後のギョウチュウなどニョロニョロとして肉眼で見えるものから、アメーバ赤痢やジアルジアなど顕微鏡で見て初めてわかる小さなものまでさまざまである。

これらに対する虫下しの薬は、種類も量も異なる。つまり対象となる寄生虫が特定できないと、飲む薬も決まらないので何をどれだけ飲んだらよいのかわからない。

逆に、症状はないが健診で寄生虫が発見される場合がある。放置してよい無害なものもあれば、駆除した方がよいものもある。
そのようなときは寄生虫が特定できているので、飲む薬の種類も量も明確なので迷いはないというわけだ。

日本で 1958 年(昭和 33 年)以来、半世紀以上にわたって小学生に義務づけられてきたギョウチュウ検査(セロハンを肛門に貼り付けるもの。エンゼルが描いてあったアレだ)が今年度を最後に廃止されるそうである。
理由は衛生環境の改善に伴いギョウチュウが激減し、もはや検査の意義がないからということらしい。

当院には、肛門の痒みを訴える子供も大人も時々来る。通常の便検査ではギョウチュウは発見されない。
かといってカンボジアではセロハン式の検査がないので、この症状だけでギョウチュウ症と診断する。
副作用のほとんどない薬を 1 回飲むだけで効果はてきめんである。

(この記事は2015年12月に発行されたNyoNuym80号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

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