(日本語) どうしましたか #43 飲むなら「ゼロ」
(日本語) どうしましたか #43 飲むなら「ゼロ」
2020.02.01

NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」

ケン・クリニック院長の奥澤健氏が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。

今回は、カロリーゼロの飲料水の甘さの素について。

飲むなら「ゼロ」

最近プノンペンでは、某大手清涼飲料メーカーが『コーラ ゼロ』を盛んに宣伝している。
何が「0」かというと、シュガーがゼロ、カロリーがゼロである。

日本での発売は 10 年前。カンボジアでも以前からあったが、特定のスーパーにしか置いていなかった。
それが今やほとんどの店で販売している。

これは低糖質食を推奨する筆者としてもおすすめである。
砂糖の代わりに合成甘味料のアセスルファムカリウムとスクラロースを使用して甘味を出しており、血糖値を上げないからである。

この 2 種類の合成甘味料は、米国食品医薬品局(FDA)と日本の厚生労働省が食品への使用を認めている。
ただし1日の摂取量に制限があるという。

ではどれくらいの量なら許容されるのか調べてみた。
缶のラベルを見ても、メーカーのウェブサイトを見ても、合成甘味料使用は明記されているが、その量が記載されていないので、あくまでも推定である。

使用基準上限、つまりめいっぱい使用しているとして食品 1 kgあたり0.4g。

これを体重50kg の人間の1日許容量に換算した。結果は 350ml の缶を 3 本までなら OK と出た。ただし、これはコーラ ゼロだけを飲んだ場合である。
合成甘味料は菓子類のほとんどすべてに使用されているので、お菓子も一緒に食べるのであれば、その分も考慮する必要がある。

とはいっても、そんなことをいちいち細かく計算するのは面倒だ。
要は、摂りすぎなければ良いだけの話である。

(この記事は2017年8月に発行されたNyoNuym90号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト:奥澤 健(おくざわ・けん)

医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。

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33:虫下し薬は飲んだ方がいいの ?
34:MEC食(前編)
35:MEC食(中編)
36:MEC食(後編)
37:世界三大感染症 その①結核
38:世界三大感染症 その②エイズ
39:世界三大感染症 その③マラリア
40:ビールと血糖値の関係
41:「消化の良い食べ物」とは?
42:インフルエンザ予防は年2回のワクチンで

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