カンボジア生活情報誌NyoNyum Magazine にて連載している医療コラム「どうしましたか」
ケン・クリニック院長の奥澤健先生が、流行病の対策、風邪やけがの処置方法から、病院での出来事、おすすめのダイエット方法までいろいろな医学トリビアを愉快に綴ります。
今回は、感染症に対するビタミンの不都合な真実について。
感染症に対するビ タミンの不都合な真実。オーソモレキュラーとは?
これを書いている5 月中旬時点で、日本ではそろそろ緊急事態宣言が解除されそうというところだが、カンボジアでは人々は普通に出歩くようになってきたし、スポーツジムなども再開して、かなりコロナウイルスに対して警戒心が緩んできたように思う。
このコラムをお読みになっている貴兄貴女から「もうコロナは終わったよ!今頃何言ってるの? 」というお叱りを受けることを期待しつつ、つまりCOVID-19 が収束していることを望みつつ、あえて書く。
それはコロナだけではなく、これから流行を迎えるインフルエンザやその他の感染症にも共通することだからである。
オーソモレキュラー(Orthomolecular)という治療法がある。
ビタミン・ミネラルなどの栄養素を分子レベルで最適な量で投与する栄養療法である。
「カゼにビタミンC が効く」と聞いたことがあるだろう。
科学的根拠のない迷信だと思っていたが、これがあながちそうでもないのである。それだけでなく、ビタミンD3、亜鉛、マグネシウム、セレンを組み合わせると免疫力が格段に上がり、感染症の予防と治療ができる。
いずれもカンボジアの薬局で安く入手可能だ。
オーソモレキュラーは北米を中心に発展してきたが、無視と迫害を受け続けており、今でも決してメジャーとはいえない。
それはなぜか?
安いビタミンなどのサプリで簡単に治ってしまったら、高価な薬が売れなくなるからである。
しかし真実であるからこそ現在まで生き残っているのである。
これからに備えて、1 日にビタミンC を1,000mg × 3 回とビタミンD3 を2,000IU × 1 回だけでも試してみてほしい。
(この記事は2020年6月に発行されたNyoNuym107号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は発行当時の情報です。)
医学博士
2010 年 2 月よりプノンペンにケン・クリニックを開業。1963 年生まれ。東京医大卒。キズを早くきれいに治す「湿潤療法」と医学的に正しい 「低糖質ダイエット・健康法」を指南。NyoNyum48号(2010年8月発行)より本コラム連載。
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48:麻疹ワクチンをうちましたか?
49:ざんねんな(?)デング熱ワクチン
50:風疹ワクチン「も」うちましたか?
51:手足口病は大人にもうつる!?
52:食あたりに気をつけて!
53:クリニック開業とインタビュー
54:狂犬病ワクチンがない!?
55:熱がないのにデング熱
56:問診不可能なカンボジア人患者(前編)
57:問診不可能なカンボジア人患者(後編)
58:開業10周年を迎えて
59:新型コロナウイルス騒動に思う
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