「この国」を伝えるカンボジアのWebメディア

"生活"最新記事

"観光"最新記事

"読み物"最新記事

"ビジネス"最新記事

"グルメ"最新記事

HOME > 読み物 > インタビュー(読み物) > ここ10年でビルメンテナンスへの意識が変わってきていると感じます【綜合建物サービス株式会社 大野操会長、大野洋平CEO】

ここ10年でビルメンテナンスへの意識が変わってきていると感じます【綜合建物サービス株式会社 大野操会長、大野洋平CEO】

現在、カンボジア国内で配布中のNyoNyum104号内のカンボジアで事業を展開するビジネスパーソンにインタビューするコーナー「Business Talk」でも紹介した綜合建物サービス株式会社の大野操会長、大野洋平代表取締役 兼 SOKEN GROUP CEOのインタビュー記事をNyoNyum WEBにも掲載!

カンボジアのビルメンテナンスに早くから参入し、日本で作り上げてきた経験と仕組みを活用し、この国のビル管理業界の先端を行く企業のお二方に、様々なお話を聞いてきました。

これからカンボジアに進出検討中の方、カンボジア人現地管理者を育成したいと考えている方は、ぜひこのインタビューを参考に!

カンボジア進出の経緯

2010 年に初めてカンボジアへ来ましたが、当時のプノンペンはプノンペンタワーも建設中で、私たちが管理するような高層ビルがなく、最初は不安がかなりありました。と同時に、これから発展するこの国に希望もありました。

日本国内では新しい建物の建設が少なくなってきている状況だったので、カンボジアで日本式の清掃業務やビルメンテナンスの需要が増えてくるのではないかと思いました。

そこで、今後の発展に期待を込めてこの国で事業を行おうと決心し、2011 年に現地法人を設立しました。

最初は手探りの状態だったものの、その後日系企業の進出ラッシュがあり、徐々に受注が増えていきました。

設立当初の苦労

カンボジアの人たちは、どうしても目先のことを優先して、後先考えないで行動してしまう部分があり、遅刻や無断欠勤する人も多かったです。これは地方出身者を中心に、十分な教育が受けられなかったという社会背景もあり、そういう現状をこちらも理解しないといけないと感じました。

ただ、カンボジア人スタッフは素直で、学ぼうという姿勢がすごく感じられたので、長い目で見ようとめげずに何度も丁寧に教え続けました。

結果、ここ数年でスタッフの意識が急激に変わってきて、責任感や向上心を持って仕事に取り組んでくれるスタッフが増えてきました。

スタッフの中には字を読めない人もいますが、この清掃という仕事を続けるうえで大事なのは気持ちの問題です。たとえ誰も見ていなくても、しっかり工程通り業務をこなせているか、掃除する相手のことを思いやれているか。

そこさえちゃんとできていれば、学歴など関係なく、積極的に採用するようにしています。

昨年から始めた日本での研修

昨年は 8 名のカンボジア人スタッフが日本で研修を行いました。うち 2 名は AOTS(一般財団法人海外産業人材育成協会)の研修制度を利用し、日本のホテルでの管理・清掃業務と消防設備の点検の研修を行いました。

残りのスタッフは、外国人技能実習制度の 1 つを利用して、本社を通して清掃業務の研修を行っています。

また、今年 3 月にはビルクリーニング技能検定(基礎級)を受けました。日本語での試験でしたが、社内に実際のテスト会場を想定して事前準備し、毎日トレーニングと勉強を行った結果、見事に全員合格しました。

なんと、字を読めない人も合格できました。技能実習のみだと日本滞在は 1 年ですが、これに合格すると 3 年まで延長できます。さらに、今年 9 月に新たに 4 人が日本へ旅立ち、現在日本で勤務しています。

※日本研修の様子に関して詳しくはこちら

カンボジア人スタッフに対するSOKENの工夫

最近はカンボジアで同業の会社も増えてきていますが、弊社ならこの業界で 1 番の技術を学んでもらえると思います。社内表彰制度も実施しています。頑張った先には日本への技術研修制度があり、社員のモチベーションにもなっています。

ほかの技能実習の場合、日本で自分のキャリアと関係ないことをやることが多いですが、弊社の場合は日本から帰ってきても管理職として勤務できるような仕組み作りを構築中です。

また、近いうちに現場での業務だけでなく、管理や営業など別の業務の研修を日本で行い、いずれはカンボジア人の管理職や経営者を生み出したいと考えています。

今後の展望

10 年前のカンボジア社会は、まだ建物の清掃・メンテナンスがそこまで重要視されておらず、弊社の業務がすぐ売上に直結するとは思われていませんでした。

それが、ここ数年でホテルや病院、ショッピングモールなどを中心に徐々に意識が変わってきており、今後ビルメンテナンスは専門業者に委託するというスタイルがさらに増えていくと思っています。

技能実習生として日本で活躍するカンボジア人材も増えています。当社も日本の全国ビルメンテナンス協会員として、日本のビルメンテナンスの素晴らしさをカンボジアで伝えていき、日本とカンボジアのビルメンテナンス業界の懸け橋になっていきます。

さらに、2019年1月に設備管理専門会社として「SOKEN ENGINEERING」を設立しました。特に消防設備点検の普及に力を入れています。

カンボジアでは消防設備点検のルールが明確でなく、機器が設置されていても作動しないこともめずらしくありません。当社では現在、日本で研修を受けたスタッフが実際にカンボジアで点検業務を行っています。

今後技術者を育成していき、時間はかかるかもしれませんが、この国で消防設備の制度を作れたら、多くの人命を守れ、より安全を維持できると確信しています。

 

SOKEN情報

<カンボジア>
住所:#82, St02A,Sangkat Toek Thla,Khan Sen Sok. Phnom Penh
電話番号:023-900-737(日本語)
メール:info.sokencambodia@soken-group.net
「SOKEN (CAMBODIA)CO.,LTD.」、「SOKEN ENGINEERING(CAMBODIA) CO., LTD.」公式サイト

<日本本社>
〒302-0024 茨城県取手市新町6-17-1
TEL 0297(74)3818 FAX 0297(73)2752
綜合建物サービス株式会社 公式サイト

関連記事

 

=インタビュー後記=

大野操会長、大野洋平CEO、限られたプノンペンでの滞在の中、インタビューにご対応いただきまして本当にありがとうございました!

このインタビュー時には「仕事を通して、オリンピックという大舞台をカンボジア人スタッフに経験させてやりたい」と語っていただきましたが、先日ついに2020年東京オリンピックの選手村のハウスキーピングを正式に受注したようです!

カンボジア人スタッフの方にとっても、きっと人生でかけがえのない経験になるはずですね。

カンボジアも2023年にSEA GAMES(東南アジア版オリンピック)を初めて自国開催する予定なので、この東京オリンピックでの経験を生かしてもらいたいですね。

NyoNyumでは今後もカンボジアに関連する頑張っている個人・団体・企業様を応援、紹介していきますので宜しくお願いします。

 

この記事を書いた人:狩野 宏明(かの ひろあき)


1984年生まれ。宮城県出身。大学卒業後、広告代理店などに勤務し、2015年にカンボジアに移住。現地で日系サッカークラブの立ち上げに関わる。2017年1月カンボジア情報サービス入社。過去にアジアを中心に58カ国訪問し、様々な環境で行われているフットボールを体感し、情報発信。現在はカンボジアの魅力を伝えるメディア運営の傍ら、カンボジアのフットボール情報を発信中。
Twitter:@piropon_pin