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Moi Moi ライフ #34 始業式と卒業式

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリアップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、バイヨン中学校のちょっと変わったカンボジアらしい学校行事について。

始業式と卒業式

カンボジアではまだ学校行事はほとんどなく、入学式や卒業式でさえも行っていない学校が多いのではないかと思います。
バイヨン中学校でも入学式はありません。

その代わりに11月の始業初日は、全校生徒で村内を練り歩く行事が行われます。
先頭の生徒が拡声器で音頭をとりながら、全員で「バイヨン中学校、始業おめでとう!」と声を揃えて歩くのです。

これは、村人に学校が始まったことを知らせるため、そしてまだ入学手続きを終えていない村の子供に登校を促すための大切な学校行事です。

義務教育とはいえ、この地域では小学校で退学する生徒も多く、中学校に進学するのは村の子供の半分以下です。そのような状況ですので、学校の存在をより多くの村人、特に子供を持つ親に知らせることが何よりも重要となっています。

ところで、先日、8月下旬のこと、第二期生の卒業式を行うとバイヨン中学校から連絡があり、興味津々、見学に行ってきました。

まず驚いたのは全員が私服だったこと。

大教室がないため、生徒たちは校庭裏の木陰に集まっていました。
式に参加していたのは生徒全員ではなく半分ほど。残りの生徒は昼食の準備をしています。

そして始まった式典では、校長をはじめ、教師代表、在校生代表、卒業生代表のスピーチと続きました。

ユニークだったのは、昨年卒業した第一期生が4人呼ばれていて、一人ずつ、中学校の思い出や学校生活の心構え、高校生活の様子などを話していたことです。

高校に入って、いかにバイヨン中学校が素晴らしかったか、先生方が生徒に対して親身に接してくださったかがわかった、と話す卒業生もいました。

式典の〆は生徒たちによるココナッツダンス。
そして5つの村の村長や小学校教員などを交えての昼食会がはじまり、生徒たちも思い思いの場所で食事を楽しんでいました。家族の参加はなく、なんともゆるやかでカンボジアらしい卒業式でした。

卒業生の皆さん、おめでとう!

(この記事は2017
年10
月に発行されたNyoNuym91
号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリアップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

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24:どうなる?バイヨン中学校完成式典
25:半年後、道は開けるか?
26:クメールの源流をたどり、スリランカへ
27:初めてのクーラー
28:アンコール・ワットの珍味
29:真夜中のアンコール・ワット
30:進化するバイヨン中学校
31:めざせ、カンボジアらしい運動会!
32:ロムドゥールカンボジア誕生か?
33:〝学泊〞で一味違ったカンボジア体験
34:始業式と卒業式