(日本語) Moi Moi ライフ #35 子供向け水環境絵本で学ぼう!
(日本語) Moi Moi ライフ #35 子供向け水環境絵本で学ぼう!
2020.02.01

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリアップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、バイヨン中学校の学生たちの環境保全の授業と活動について。

子供向け水環境絵本で学ぼう!

カンボジアの学校の新年度授業開始は11月から。
9月、10月は長期休暇となります。

ところがバイヨン中学校では、10月に入ると毎日、全校生徒が学校に登校し、荒れた校庭や教室の大掃除を行っていました。
カンボジアの雨期は雑草が伸び放題、晴れた日には空気が乾燥して教室内に砂ぼこりが舞い込みます。

その上、建物の隙間からは鳥や蜘蛛やヤモリなどの小動物が侵入し、強い日差しで建物の劣化も早いため、日本より多くの時間と労力をかけなければ、校庭や校舎をきれいに保つことはできないのです。

バイヨン中学校では、日ごろから生徒一丸となって環境美化に努め、色とりどりの花が植えられた校庭、きれいな校舎が皆の誇りとなっています。

年々高まるバイヨン中学校生徒たちの環境保全意識。
開校当初は学校前の通りや近くのお寺でのゴミ拾いを行っていただけでしたが、今では、シェムリアップの観光地の一つであるトンレサップ湖や、アンコール・トム遺跡で行われる国家行事・農耕祭や正月行事の会場などでも、率先してゴミ拾いを行っています。

生徒たちの環境意識の高まりは、植樹活動や、“生物多様性と環境”についての授業に因るところも大きいといえるでしょう。

その活動の成果の一つとして、1年間の学びの内容を、カンボジアの子供向けの手作り絵本にまとめました。
身の回りの水環境をテーマに、シェムリアップ淡水魚研究所の佐藤智之氏監修のもと、カンボジアに生息する淡水魚の図鑑頁も掲載しています。

現在、近隣の小・中学校に配布中ですが、その他の地域にお配りいただける方、ぜひJSTまでご連絡ください!

(この記事は2017年12月に発行されたNyoNuym92号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリアップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

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25:半年後、道は開けるか?
26:クメールの源流をたどり、スリランカへ
27:初めてのクーラー
28:アンコール・ワットの珍味
29:真夜中のアンコール・ワット
30:進化するバイヨン中学校
31:めざせ、カンボジアらしい運動会!
32:ロムドゥールカンボジア誕生か?
33:〝学泊〞で一味違ったカンボジア体験
34:始業式と卒業式
35:子供向け水環境絵本で学ぼう!

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