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Moi Moi ライフ #4 新鮮な出会い

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリァップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、000

新鮮な出会い

日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JASA)の修復作業員の多くは、アンコール・トム遺跡の北、アンコール・クラウ村に住んでいます。

そんな彼らの村は、シェムリァップ中心部から10キロと離れていないというのに、町とは別世界。村に足を踏み入れると、人々の生活も風景も一変して、のどかな景色が展開します。子供たちははだしで駆け回り、牛が草を食(は)んでい小道では、車の代わりに牛車が行き交います。

川では水牛の群れが水浴びをし、その傍らでは村人が投網をして夕食のおかずとなる魚を獲っています。

水面に浮かぶ睡蓮の茎はスープの具材となり、森に入れば、そこは香辛料として使われる草葉や野生の木の実の宝庫です。

村人はそれらの食材をけっして多くは採りません。その日に家族が食べる分だけ手に入れたら終わりです。また、村の子供たちにとって、魚獲りや薪拾いは生活の一部となっていて、学校が終わると森に入り、水辺の浅瀬に仕掛けを作って、その日の糧となるものを探しています。

そんなアンコール・クラウ村では、いつも新鮮な出会いが待っています。例えばこの写真。向こうから少年が睡蓮の茎の束を抱えて泳いできます。と思ったら、こちらの岸からは黒い犬が向こう岸へ・・・。

どちらも”当たり前”の如くすれ違って、それぞれの岸へと渡ってゆきました。村ではありふれた日常の風景なのでしょう。とはいえ、少年と犬のあまりにも自然な姿に、「・・・月は東に日は西に」の句が頭の中を駆け巡った一瞬でした。

(この記事は2012年10月に発行されたNyoNuym61号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリァップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

 

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1:マンゴーの季節
2:南の国の大きな森での車座会議
3:遺跡修復プロフェッショナル一家
4:新鮮な出会い