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Moi Moi ライフ #42 魅惑のカンボジア発酵魚料理

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリアップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、あまり知られていない発酵食品について。

魅惑のカンボジア発酵魚料理

カンボジア独特の食材といえば、淡水魚を塩漬け発酵させてつくる“プラホック”や“トゥックトレイ(魚醤)”が有名ですが、さらに複雑な発酵過程を経てできる“プオーッ” や“マム”についてはほとんど知られていないようです。

個人的には、こちらの方が断然美味しいのに!と思うのですが、残念なことです。

作り方はどちらも、塩揉みした魚を、細かく砕いて炒ったお米とまぶして空気を遮断し、長いもので1年かけて発酵させます。
つまり、「お米が糖化して乳酸発酵し、その過程で魚のたんぱく質や脂質が分解されてアミノ酸などの旨み成分が生成される」というのが発酵の仕組みで、単なる塩漬け発酵でできるプラホックとは全く違う、濃厚な旨みが醸成されます。

また、発酵のさせ方だけを見ると、日本の“熟(な)れずし”とほぼ同じですが、特筆すべきはその後の調理方法です。

“プオーッ”は切身状のまま、ニンニクや生姜などと一緒に炒めますが、旨味と酸味と甘味が絡み合った深い味わいに、ご飯がすすむこと間違いなし!

一方、“マム”の方は小さく切った魚を発酵させたもので、卵や挽肉と一緒に蒸したり炒めたりして味付け的に使うのが特徴です。

さらに、発酵した生のままの“マム”をレモングラスや青パパイヤ、エシャロットなどと絡めてそのままいただく“マムチャウ”という料理もあって、こちらは発酵によって素材から出た酸味がほどよく効いて爽やかな味わい。
どれも濃厚な味で、新鮮な生野菜や香草がよく合います。

そして、驚くべきことに、これらの料理は美味しいだけでなく、保存食でもあり、免疫力を高め、スタミナ回復効果も期待できるという優れた料理なのです。

トンレサップ湖の“恵み”を“旨み”に変え、日々健康に暮らすためのカンボジアの知恵が詰まったこれらの料理をぜひ一度味わってみてください。

Cafe Moi Moiでもメニューとしてお出ししていますよ!

(この記事は2019年2月に発行されたNyoNuym99号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリアップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

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