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Moi Moi ライフ #52 ナーガ・シンハ彫像修復プロジ ェクト終了!

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリァップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、ナーガ・シンハ彫像修復プロジ ェ クトについて紹介します。

 

ナーガ・シンハ彫像修復プロジ ェクト終了!

ナーガ像、シンハ像の修復作業

JST(NGO:アンコール人材養成支援機構)では、2012年よりバイヨン寺院外回廊のナーガ・シンハ彫像修復プロジェクトを行っ ていましたが、このたび全修復が完了しました。

このプロジェクトは、JASA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)の技術協力のもと、日本ユネスコ協会連盟とJSTとの共同事業として進められてきた修復事業です。

バイヨン寺院外回廊の81体のナーガ(大蛇)像と22体のシンハ(獅子像)、そして外回廊全体の欄干(つまりナーガの胴体です)の、欠けている部分には新材を補填し、倒れて散乱している彫像は元の位置に設置しなおすという修復を行いました。

と同時に、この修復の過程を通して、専門家1名と技術者8名の新たな遺跡修復人材も誕生することになりました!

その技術者8名は、もともとはユネスコ協会が運営する寺子屋で識字教育を受けていた近隣の村の青年、つまり、字の読み書きができなかった青年たちで、もちろん遺跡修復に関しても全くの素人でした。

それが、8年間の実務経験の結果、遺跡修復や石彫技術を習得し、図面も描けるようになったのでした。

そして、全員、今後も継続して、別のアンコール遺跡修復事業で力を発揮できることになりました。

1994年より、26年間アンコール遺跡修復事業に携わってきた夫は、JST代表としてこのプロジェクトを管理していましたが、現在のカンボジアの最高レベルの修復が遂行されたことに誇りと喜びを感じています。

コロナ禍の情勢下、終了式典に日本から誰も参加者できなかったことは残念ではありますが、8年間の実務養成を終えた専門家と技術者の晴れ晴れとした笑顔から、彼らの希望に満ちた未来をともに喜んでいただけたことと思います。

皆さん、バイヨン寺院を訪問されることがあれば、ぜひ、外回廊のナーガ・シンハ彫像もじっくりご覧くださいね!

(この記事は2020年10月に発行されたNyoNuym108号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

 

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリアップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

 

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