現在カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum111号の特集ではカンボジアの調味料プラホックについて紹介しましたがそのWeb版も公開します。
4回目の今回はAlmond Hospitality Group CEO ルー・メンさんへのインタビューを紹介します。
<前回の記事はこちら>
プラホックがなければクメール料理は語れない Almond Hospitality Group CEO ルー・メンさんインタビュー
ルー・メン(Luu Meng)さん
クメール料理店Uy Kuyteavや中華料理店YI SANGなどを展開するAlmond Hospitality Groupの設立者兼CEO。また、クメール料理店MALISなどを運営するTHALIAS hospitalityのDirectorでもあり、カンボジアシェフ連盟の会長も務める。
Q:クメール料理にとって、プラホックはどんな存在でしょうか。
風味のついた塩、と表現するとわかりやすいでしょうか。一家の台所に必ずないといけない調味料、と言えますね。
食材としての始まりは、一年中魚を食べられるように採れる時期に塩漬けをしておこうというものですが、だからこそ年中いつでも台所にあって、クメール料理に欠かせないんです。
クメール料理をきちんと“クメール料理の味”に仕上げるには欠かせないもので、プラホックがないと“これだ”、と食欲をそそる匂いや味にならないんですよね。
昔は男性が求婚時に女性の親に気に入ってもらうためにプラホックを持っていった、なんて話もありますし、生活に深く根付いた食べ物であることに間違いありません。
Q:カンボジア産プラホックの特徴や、カンボジアならではの使い方などあるのでしょうか。
隣国で造られるプラホックとの一番の違いは、自然の恵みをたっぷり受けた素材を使う点でしょう。
トンレサップ湖やメコン川で採れる天然の魚は雨季と乾季で上下する水位に揉まれて育ち、身がしっかりしています。
また、ミネラル豊富なカンポットの天然粗塩を使うことで、独自の味に仕上がります。
カンボジアでは、料理のソースや付けダレとしてプラホックを使うことがあります。
シンプルに魚醤(ナンプラー)だけを使う国と比較すると、味を(良い意味で)複雑にするんですよね。
あとは、プラホックを使った料理のバラエティーの豊かさは群を抜くと思います。
肉や魚、野菜など、いろんなものと掛け合わせたものがあります。
Q:プラホックを好まないカンボジアの若い人たちが増えているのは、どうしてなのでしょうか。
美味しく料理されていないものが増えているからでしょうか。
匂いを理由に好まない人が多いですが、プラホックの個性をよく知り、癖を上手く隠す調理技術が必要なんです。料理人としてもそこは重要視しています。
また、そもそも質の悪いプラホックを使ってしまうと、癖の部分ばかりが強調されてしまうので、それもいけませんね。
Q:プラホックを使ったオススメの料理を教えてください。
プラホックをあまり食べ慣れていない外国人にオススメするのは焼いた魚や肉、海鮮などをプラホックのタレに付ける食べ方ですね。
タマリンドやレモングラス、砂糖などで乳化させて作るそのタレは、どんな焼きものにもバランスよく合います。Uy Kuyteavでは、サラダにアレンジしたメニューをご用意しています。
それから、プラホックで味と香りを深め、100種の野菜スープと言われるほど野菜がたっぷり使われているコーコー(Kor Ko)スープもオススメです。
カンボジア人は白ごはんと一緒に食べますが、麺を入れて食べるのも美味しく、Uy Kuyteavでは米粉麺入りをメニューにしています。
ルー・メンさんのお店を紹介
Uy Kuyteav(ウィ クイティウ)
プノンペン市内に3店舗あるアーモンドグループのクメール料理レストラン。定番のものから珍しいものまで種類豊富なクイティウが楽しめるほか、ハーブやプラホックを使用したカンボジア料理も。
カンプチアクロム通り店(Kampuchea Krom)
# 890, St. 128, Kampucheakrom Blvd
6:00 – 17:00
@uykuyteav.kpck.blvd
ハノイ通り店(Hanoi Blvd)
#186, Hanoi Blvd, Sen Sok
6:00 – 17:00
@uykuyteav.hanoi.blvd
AEONモールプノンペン店(Aeon Mall Phnom Penh)
Ground Floor in Aeon Mall Phnom Penh
8:00 – 22:00
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