現在カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum114号の特集では「カンボジアの電子決済(キャッシュレス)」について紹介しましたがそのWeb版も公開します。
電子決済(キャッシュレス)の世界
新型コロナの影響で、カンボジアではこれまで以上に電子決済サービスに注目が集まりました。
紙幣の受け渡しによる感染リスクを避けるため、QR コードによる電子決済は都市部ばかりでなく地方の各地域にも急速な広がりを見せています。
プノンペン都内にあるスーパーマーケットのレジには、銀行や電子マネーサービス、クレジットカード会社のロゴがずらりと並び、先進国に劣らんばかりの電子決済手段の多さ。
しかし、実は、カンボジアで銀行口座や電子決済サービスが普及し始めたのは、ここ10 年ほどのこと。
「銀行にお金を預けるよりもタンス貯金が一番安心!」
そんな考えが根強くあったこの国で、どのようにして電子決済が一般化してきたのか、近年の電子マネーのトレンド、人々がどのように暮らしの中で電子決済サービスを使っているのか、そして、銀行の最新サービスなどなど。
今号の特集では、目まぐるしく発展する、カンボジアの電子決済の世界をのぞいてみます。
スマホがお財布に
電子決済の中でもこの数年間でホットなのは、やっぱりモバイル決済。スマホ所持率の高いカンボジアで、普及しないわけはない!?
スマホ1つでパッと決済ができるその手軽さと便利さで、カンボジアでもモバイル決済の選択肢が急速に増加しています。
現金を持ち歩く必要がなく、ちょっと面倒くさいおつりの計算もいらず、後からでも明細を確認しやすい。
銀行アプリでのモバイル決済を使用すれば、口座直結でお金の管理もラクラク。チャージ式のサービスも、スマホ内の銀行アプリを通じてものの数秒で完了。
また、支払う側だけでなく、即時入金・管理のしやすさはお店側にとってもメリットが多く、今やローカル市場でもスマホをかざす場面をよく目にするほど。
カンボジア人が良く知っている幾つかのモバイルアプリサービスを取り組んでいる国内の金融会社をご紹介します。
ABA Bank
ABA銀行は、カンボジアで最も信頼されている銀行の1 つ。
特に都市部ではATM数が多く、24時間営業をしている支店が登場するなど、革新的なサービス展開で注目されている。
また、同行のモバイルアプリの使いやすさは利用者の満足度は高い。
光熱費の支払いや携帯電話、インターネットのチャージだけでなく、飲食店やスーパー、はたまた市場においてもABAのQRコードで決済をしている人が多い。
また、送金の際にはアプリで送金する金額を入力したあとコード番号を取得し、そのコード番号を使って受け取り側がATMで現金を受け取れるE-Cashサービスもある。
Wing
2009年より携帯電話による送金・決済サービスを開始。全国のネットワークとエージェントが最も多
い。
地元の人々の小口のお金のやり取りのほか、ビジネス用の送金・決済や給与処理なども展開している。
2016年に導入されたモバイル決済アプリが日々更新されており、便利性が高まっている。
また、ヴィングモールやヴィングデリバリーサービスも開始し、これらの決済をヴィングモバイルでやると割引が付くといったお得なサービスもあり、一般庶民に人気が高い。
True Money
タイに本社があり、2016年の初めにカンボジアに参入。現在はカンボジア全土に約5,000軒のエージェントをもつ。
True Moneyアプリでは国内・海外送金、携帯電話やインターネットのチャージ、光熱費の支払い、映画のチケットの購入など、日常生活に役立つキャッシュレス決済のサービスを提供している。
タイ、カンボジア、ミャンマー、インドネシア、フィリピン、ベトナムを含むアジア全域で事業を展開している一般庶民に人気が高い会社の一つ。
LYHOUR
古くから、両替商として有名だったLYHOUR。グループ会社の中でも登録資本金800万米ドルをもつLYHOUR PAY PRO Plc のモバイルアプリを通じて、送金・決済、携帯電話やインターネットのチャージ、光熱費の支払い、ローンの返済などが簡単にできる。
Pi Pay
2017年にカンボジアに参入した香港系の会社。コンビニやカフェなどで気軽にモバイルアプリ、フィンガースキャン、QRコードで決済できるとして、参入後は急速に利用者を広げたことで注目された。
PiPayアプリは、チャット、マップ検索、友達検索など、さまざまなソーシャルネットワーク的な機能とライフスタイルの機能を備えた決済サービスを兼ね備えている。
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