現在カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum116号の特集では「カンボジアの休日を楽しもう!現地の人に聞く、新・リゾート徹底研究」について紹介しましたがそのWeb版も公開します。
「カンボジアの休日を楽しもう!現地の人に聞く、新・リゾート徹底研究」
新型コロナ感染症の影響で、長きにわたり行動を制限されていたカンボジア。
11月に入ってようやくさまざまな制限が解除され、喜びに沸く人々の姿があります。
「移動ができるようになったらどんなところに行きたい?」とニョニュムスタッフに聞くと、今まで知らなかったいろんな「行楽地」があるよという声が。
実は、コロナ禍でも週末や連休を使って感染対策に配慮しながら、みんなアウトドアを楽しんでいたようです! いったいどんな楽しみ方があるの?
現地の人の「コロナ禍の休暇の楽しみ方」を覗いてみましょう!
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メコン川クルーズでゆったりしませんか?
カンボジア人の余暇の楽しみ方をいろいろ調べたニョニュムスタッフ。2カ月にわたり各地での取材を分担し、今回の特集を作り上げました。
そのご褒美(?)と、ニョニュム創刊18周年の記念、そしてコロナ禍で新しく迎えた新人スタッフの歓迎会を兼ねて、楽しい「メコン川クルーズ」を実行!
クルーズ船の様子とともに、ニョニュムの編集を支える編集長ヴィサールの思いをご紹介します。
11月1日、カンボジア政府は新型コロナ感染症の規制を解除し、経済・社会活動を正常化する政策に踏み切った。2.20事案と言われるプノンペンの市中感染の頃から、ニョニュムスタッフもいろいろな制限の中で仕事をしてきた。
地方での取材もできず、仕事も在宅+オフィス出勤のローテーションを組んだ。身の回りにコロナ感染者が出て、安全のために在宅勤務を余儀なくされるスタッフもいて、社内コミュニケーションの不安を抱えながらの日々。
そんな中で、今年6月にプノンペン大学新卒のスタッフ2名を迎え、新生ニョニュム編集部が誕生、そして10月にニョニュム誕生18周年を迎えた。
スタッフ全員の「溜まっていたストレスを発散したい」という希望で、ニューノーマルの生活、新人スタッフ歓迎、ニョニュム18周年を記念して食事でもしようか。そんな声が上がり、クルーズ船での小パーティーの企画を立てた。
サンセット鑑賞もできると聞き、当日は午後4時半頃に仕事を切り上げ、みんなでリバーサイドの船乗り場に向かう。雨季の名残がまだあり、雲も多く天気が心配だったが、どうやら天気はもちそう。リバーサイドに到着すると降雨で増水した川が目の前に広がり、自然の風がどこからか良い香りを運んできていた。予約していた船に乗り込む前に皆でスナックと飲み物を調達。いざ、小型の船に乗り込んだ。
ゆっくりと船が川の岸から離れ、トンレサップ川の流れとともに漂いながら王宮前周辺を通過していく。船から王宮をゆっくりと眺めつつ、王宮の向こうのほうに広がる雲の合間から見える夕日が暮れていくのを鑑賞。王宮の対岸はダイヤモンドアイランド。船は、サイクリングの取材で新人社員のレット君、チュン君とともに行ったアレヤクサット島に向かうようで、左の方向へ旋回した。
これって何川だったっけ? トンレサップ川じゃない? スナックとジュースを口にした何人かのスタッフが話し合っていた。船の運転手さんに聞いてみると、先ほど左に旋回して入ってきた川はメコン川だと言う。運転手さんいわく、サンセット鑑賞コースではここから眺める夕日が一番良いのだそう。
新型コロナ感染症の市中感染がカンボジアで発生して以来、こういうクルーズ船を利用する観光客の姿がすっかり消えてしまったのだと運転手さんが小さな声で語り出した。
「この1年半以上の間、ずっと休業していた」と言う運転手さんの話に耳を傾け、観光業が大打撃を受けたとは聞いていたものの、目の前にいるこの人も相当の苦労をしたのだと実感した。
ゆっくりとメコン川上流の方向に進むクルーズ船。みんなのところに戻ると、スタッフたちは思い思いに写真を撮ったり、水かさが増して大きくなった雨季終盤の壮大なメコン川を眺めたり、おしゃべりをしている。オレンジから藍色へと移り変わる空の下でそよ風に吹かれながら、市中感染とその対策でピリピリしていたこの数カ月の生活を思い出す。そして、ようやくこんな風にリラックスできるニューノーマルの日常が始まったのだということを感じた。
1時間くらいのクルーズですっかりリラックスしたみんな。さて次は、お楽しみの宴会の時間だ!運転手さんに伝えてスピードを出してもらい、元の船乗り場に帰った。船を降りるときに運転手さんから、「乾季に入り雨が降らなくなる1月と2月頃には川の水が今より透明になるから、ぜひまた来てください」と声をかけられ、別れの挨拶をした。
コロナ渦に入社して本当によく頑張ってくれたレット君とチュン君。周りの先輩が見守る中、ニョニュムのレポーターとして大活躍している。思えば、僕自身も自分が中心となってニョニュムの特集を作り上げるようになったのが約1年半前から。
編集のノウハウもない中、読者が在留日本人やカンボジアに関心のある日本の方だということで、カンボジアのどんなことを伝えたらいいのか、みなさんが興味を持ってくださるのか、そんなことを考えながら日々の編集作業に取り組んでいる。そう考えると、レット君とチュン君だけでなく、僕も編集長としては新人だ!
だからこそ、メディアの在り方をいろいろ研究しないといけないという思いもある。実は、僕は過去に日本に留学していて、明治大学の学士過程と筑波大学の修士課程で履修した科目の中に「メディアリテラシーとメディア研究」というものがあった。
ニョニュムは、「カンボジア人目線でカンボジアを伝える。読者である日本人のみなさんに自国をより深く知っていただき、好きになってもらいたい」。そういう思いを込めた雑誌だ。カンボジア人目線とはいえ、記事を執筆していくうえでは、その日本人のものの見方、考え方をしっかり把握し、いろいろな角度からの情報を収集して発信することが大切ではないかと思っている。
そして、良い情報を得るためにはその分野の仕事に関わっている人はもとより、その背景や他の関係者からの声を拾い上げるということも重要だ。いろいろな人に会って、いろいろな話を聞き出せるスキルを育成していかないといけないと日々思っている。新人スタッフの面倒を見ながら、新米編集長として自分自身も成長したい。
NyoNyum編集長
2010年に日本の日本語学校へ留学し、2012年に明治大学入学。14年には休学して米国留学へ。2017年に明治大学卒業後、筑波大学国際日本研究科へ進学、2019年に修士号を取得。卒業後、カンボジアに帰国してニョニュム誌の編集長として勤めている。
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