NyoNyum126号特集③:プノンペンの不動産投資のプロに聞く !~日本人にとっての魅力と不動産価値は~
NyoNyum126号特集③:プノンペンの不動産投資のプロに聞く !~日本人にとっての魅力と不動産価値は~
2023.10.06

現在、カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum126号の特集のWeb版です。

 

「膨張し続けるプノンペンのいま〜プノンペン不動産の魅力と憧れのマイホーム開発〜

カンボジアの経済成長の舞台は首都プノンペンに集中しており、プノンペンの人口も増加しています。2008年に約150万人だったのが2019年には約210万人に、そして2035年までに300万人に達すると予測されています。人口増加を受けて、都心から周辺地域への道路や上下水道、電気などのインフラ整備を政府も進めています。

プノンペンの経済成長とインフラ整備の拡がりを背景に、理想のマイホームを求めて「ボレイ」と呼ばれる新興住宅地で夢のマイホームを購入しようと、銀行ローンを組む市民が急増しています。一方デベロッパーは、さらなる市民のマイホームニーズを満たすべく、プノンペン近郊でボレイの開発と建設を推し進めています。

今回は、プノンペンにおける不動産の現状、そしてボレイでの生活を叶えた人の生活について調査しました。

 

プノンペンの不動産投資のプロに聞く ! ~日本人にとっての魅力と不動産価値は~

カンボジア人の間で土地、コンドミニアム、一戸建てなどの不動産取得や売買が盛んに行われる中、外国人投資家による不動産開発や売買も多く見られます。日本からもプノンペンを中心に主に投機目的で不動産を購入する人がいる中、その仲介を手掛けているアンアアドバイザーズ株式会社(東京・港区)代表の荒木杏奈さんに、日本人から見たプノンペンの魅力、不動産の価値、そして今後の不動産をめぐる傾向などを教えてもらいました。

 

アンナさんはカンボジアで10年近く事業をされていますが、プノンペンの街の変化をどのように見ていますか?

私がプノンペンで事業を立ち上げたのが2013年で 、ちょうど10年前です。上下水道や道路などの整備が整い切っていなかった当時と比べて、今のプノンペンは生活環境が良くなったと思います。今は残念ながらなくなってしまいましたが ANAが就航するなど、日本とカンボジアがぐんと近くなった時期があったこともありました。

私自身も、10年前と比べるとモールもたくさんできてますます便利になったと思います。コロナの影響で4年ほどプノンペンに行けない時期もありましたが、現在は1- 2ヶ月に一度のペースでカンボジアに来ています。

 

コロナ禍では、事業に影響はありましたか?

海外不動産という業界自体は打撃がありました。ですが、弊社が扱う物件は開発会社がしっかり保証をしており、数字でリターンをしっかり示せたので、投資として考えるお客様にはその決断にあまり影響はなかったようです。もちろん、現地で物件を確かめてから判断したいという方もいますので、オンラインで現地とつないでビデオで見ていただくというやり方に切り替えました。現在は視察を再開し、ご希望の方には現地で見ていただいています。

 

プノンペンの魅力は?

もともとフランス領だったこともあり街並みが整備されていること、地震や台風などの災害が少ないことなど、生活しやすいところだと思います。食文化も日本人好みの味付けですし、各国料理のお店も多くてなんでも美味しいですよね。

投資面では米ドルで取引ができることが魅力です。銀行預金の利子も高いですし、外国人が不動産購入をすることもできます。 きちんと家賃が入ってくれば安定収入になりますし、また銀行からその収益を国外に持ち出すことも制限がないという点も魅力です。

法的な面でも、きちんと登記手続きができるので大きなトラブルはありません。ただ、思っていた以上に借り手がつかない場合もあり、そういうリスクは多少なりともあると思っていただいたほうがいいと思います。

 

200万人以上の人口を持つプノンペンですが、2035年には外国人も含め約300万人になると言われています。人口増加を受けて、不動産会社としてどのようなことを期待しますか?

弊社が管理している物件の入居者には一部カンボジア人もいて、元々外国に長く住んでいてカンボジアに戻ってきた方が多いです。そういう方々はセキュリティがしっかりしているコンドミニアムを選ぶ傾向があります。今後もそういった富裕層のカンボジア人が増えていくのではないかと思います。また、外国人が増えていくことによって、1ベッドルーム、2ベッドルームのお部屋などの需要も高まるかと思います。

一方で、現在はファミリー向けのお部屋の供給が少ないので、外国人駐在員のファミリー向けのお部屋の供給が足りていません。弊社がこれまで取扱ってきた物件で、富裕層の入居者になると、ペントハウスを2部屋購入して部屋をつなげて家族で優雅に使うとうケースもございます。

さらにファミリー向け物件という観点では、同じ建物内にスパがあったり子供が遊べるスペースがあるなど、共用施設が安全で充実した物件が求められると思います。 弊社の事業は不動産仲介と賃貸管理がメインで、デベロッパー的な仕事はしておりませんが、やはり人口が200万、300万だと日系大手デベロッパーにとってプノンペンはまだ市場が小さいと判断されるようです。ニッチな部分を補う優良なデベロッパーが沢山出てきてほしいですね。

 

プノンペンの不動産業界の課題は?

カンボジアに限ったことではないのですが、「完成せずに物件開発が止まってしまう」ことがあります。これは、開発計画の段階から物件を売り出してお金を集めながら建設するというビジネススタイルが多いのと、開発会社が問題を抱えて資金が回らなくなるといった原因があります。だから、きちんと法整備をして物件が建ってから販売をするという流れを作らなければならないと思います。

もし建設が途中で止まったら購入者に対してここまでは補償されるなど、保険のような制度もできたらいいなと思います。もちろん自己責任と言ってしまうことはできますが、こういうリスクが多くなると、カンボジアの物件市場全体のマイナスのイメージとなってしまいますよね。また、物件が建った後の管理会社の対応力も上げていかなければならないと思います。お客様の満足度を高める努力を業界全体でしていかないと、入居者は集まらないし、新しい物件ができたらその都度人が流れてしまうと思います。

修繕積立金という概念も少しずつ広がってきたかと思いますが、そのお金を本当に修繕に使うのか ? という疑いもつきまといます。今はどこも新しい物件なので問題はないですが、今後5年、10年と過ぎていったときに問題になると思います。販売業者側としては、購入費用以外に管理費、固定資産税、登記費用といった経費がいろいろかかることもしっかりお客様に伝えないとトラブルになると思います。

 

今後はカンボジア人が日本で物件を買いたいというケースも出てくると思いますか?

それもあるでしょうね。弊社も日本国内の物件をご案内もしたい思いはあるのですが、現状カンボジアの案件が多くて手が回っていません。知り合いの不動産会社で外国人投資家へ日本の物件の紹介をしているところも多いですよ。円安ということもありますし、そういう需要は高まってくるかと思います。

 

最後にメッセージをお願いします。

昔と比べて海外不動産を持つことや投資が身近になってきているので、カンボジアに目を向ける方は増えるのではないかと思います。日本に住んでいて保有資産が日本円に偏っている人が外貨を持ってリスクヘッジを考える際、カンボジアは外国人の投資に対してオープンなので魅力的だと思います。

今後政治が変わって法律も変わってしまうかもしれない、と思う方もいるかもしれませんが、カンボジアは経済規模がまだ小さいのと、経済成長のためには外資を受け入れていかなければならない点は急には変わらないと思います。弊社はカンボジアの状況を注視しながら、外国投資という点でのカンボジアの魅力をしっかりお伝えしていこうと思っています。

 

Anna Advisors Co.,Ltd

住所;Unit No. FO-1025, Flatiron by Meridian, Street 102, Phnom Penh City Centre, Sangkat Srah Chok, Khan Daun Penh, Phnom Penh, Kingdom of Cambodia

メール:info@annaadvisors.com

電話番号:023 97 2014 / 012 833 290

ウェブサイト:https://anna-advisors.com/

 

杏奈さん自らの目で見極めて物件をお勧めしている(FLATIRON BY MERIDIAN)

 

プノンペンの新たなシンボル物件として注目の J-Tower 3

 

富裕層向けのファミリータイプ(3ベッドルーム)のコンドミニアムとなる(J-Tower 3)

 

新興ビジネス中枢エリアに誕生したオフィス & アパートホテル(FLATIRON BY MERIDIAN)

 

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