NyoNyum127号特集②:ニョニュム的カンボジア時事録2003~2023
NyoNyum127号特集②:ニョニュム的カンボジア時事録2003~2023
2023.11.28

現在、カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum127号の特集のWeb版パート2です。

 

「ニョニュムが見てきたもの、ニョニュムの周りで 起きたこと~20年間の総まとめ~

2003年10月10日に生まれたニョニュム。

おかげさまで20周年となり、紙媒体での発行はいったん休刊となりました。

いろんな思い出がありますが、最終号ではニョニュムの生い立ち、そしてこの20年の間にニョニュムが見てきたこと、伝えてきたことを振り返りたいと思います。

改めて創刊号から読み返してみると、それはそれはいろんな角度からカンボジアという国を描いていたなぁと感慨深いものがありました。そして、それらのコンテンツにはそれぞれの背景があり、その発行時の世相が映し出されています。

20年ずっと愛読してくださった皆様、最近手にしたけど読んでいるよという皆様、ニョニュムがどんな 20年を歩んできたのか、20年をざーっと駆け抜けて見ることができる今回の特集、どうぞお楽しみください!

 

前回の「ニョニュム発行人・山崎幸恵が語る”ニョニュムの生い立ち”」はこちら

 

ニョニュム的カンボジア時事録2003~2023

91号の見覚えはありますか?

この20年間、ニョニュムが伝えてきたことはその時、その時の旬のカンボジア情報でした。創刊した 2003年から今年2023年まで、ニョニュムが伝えたトピックスをダイジェストで、お届けします。実はこの企画、ニョニュム15周年の91号でやったものの続きとなります。93号を読んだことがある方は繰り返しとなってしまいますが、20年を改めて振り返ると改めて面白いと思っていただけると思います!

 

<2003年>

in Cambodia
・第3回国民議会議員選挙も、選挙後組閣できず国内混乱
・カンボジア独立から50年
・日本カンボジア外交関係樹立50周年、記念式典や盆踊り大会等開催

in Japan
・地上波デジタル放送開始

World
・ イラク戦争開戦
・新型肺炎SARSが世界的に大流行

【1号/2003年10月】変わらない朝の定番、でもその料金は…

2003年10月に発行した創刊号の特集はカンボジアを代表する米麺「クイティウ」。今も変わらず“朝の定番”だけど、そのお値段は大違い。当時プノンペンの食堂では1杯2,000リエルから3,000リエルだったようだが、最近は5,000リエルから8,000リエルくらい。1990年創業の老舗カンボジア料理店「Thomorda」も1杯1ドルが今では8ドルに。かなり値上がりしている。ただ、地方の食堂やプノンペンでも屋台では今1杯2ドル程度のところも多く、店の形態や場所によって価格に幅あり。

 

地味~に、地道に。創刊号から続く市場の相場情報『月間ドムライ』

“リアルなカンボジアを伝える”ニョニュムでは、創刊号から現在まで『月間ドムライ』という地味~なコーナーで、休まずプノンペンの市場数カ所の売り値を伝えている。下の表は創刊当時の市場価(2003年8月~9月調べ。一部を抜粋)。さて、それからどのくらい変わった?下記の最新の表と比べてみよう。

2003年8月~9月調べ

2023年10月~11月調べ

 

<2004年>

in Cambodia
・選挙からほぼ1年後に第3次フン・セン内閣発足
・シハモニ国王即位

in Japan
・新潟県中越地震
・任天堂が初代ニンテンドーDSを発売

World
・スマトラ島沖地震
・アテネ五輪開

【11号/2004年8月】「生まれた!生まれた!新政府」

国王の戴冠式10月に行われた戴冠式、新国王誕生に沸く人々の様子を届けた(14号/2004年12月-2005年1月)

こちらは2004年7月のとあるカンボジアの新聞記事の見出し。創刊号から約3年間、『社会の縮図・新聞-の、そのまた縮図の見出し。』と題したコーナーで、マジメな政治の話題からカルチャーショックを禁じえない仰天ニュースまで、現地新聞の見出しをヒントにあれこれとカンボジア考察を繰り広げた。2003年の総選挙から1年。長きに渡ったかけひきの末、7月にようやく発足した新内閣。

ニョニュムではこの見出しの紹介とともに「“生まれてよかった、新政府!”と言われる政治を…」というメッセージを添えて記事にした。それからも続いてきたフン・セン内閣。2023年にフン・セン首相が辞任を表明し、フン・マネット内閣が誕生した。

 

<2005年>

in Cambodia
・フン・セン首相が愛知万博のカンボジアナショナルデーに出席
・シェムリァップのインターナショナルスクールで人質事件

in Japan
・ 愛知万博開催
・JR福知山線で脱線事故
・第3次小泉内閣発足

World
・ローマ法王死去
・バリ島で同時爆弾テロ

【16号/2005年4-5月~19号/2005年10-11月】愛知万博でカンボジアの魅力をアピール!

2005年3月から9月にかけて開催された愛知万博。ニョニュムでは4号にわたり、万博に参加していたカンボジアの現地での様子をレポートした。カンボジアパビリオンは、1998年からカンボジアの手工芸品を制作・販売している「アーティザン・アンコール」が設営を手がけ、アンコール遺跡と手工芸品を中心に来場者にカンボジアの魅力をアピールした。5月のカンボジアナショナルデーにはフン・セン首相も出席し、カンボジア王立舞踊団による舞いも披露された。

 

カンボジアで52年に一度の“祝福の地震”発生!?

2005年11月、プノンペンやその近郊の州などで地震騒ぎが。これについて、とある僧侶が「52年前の独立の日にも地震が起きた。そのときと今回の地震はカンボジアに祝福をもたらすもので、52年に一度の発生は予言されていたこと。恐がる必要はない」と述べたという…(20号/2005年12月-2006年1月)

 

<2006年>

in Cambodia
・ポル・ポト政権を裁くカンボジア特別法廷、運営開始
・スーダンの地雷撤去要員としてカンボジア政府軍をPKO派遣
・ノロドム・ラナリット党発足
・第1回上院議会議員選挙

in Japan
・第一次安倍内閣発足
・第1回WBCで日本が優勝
・秋篠宮家に男児誕生

World
・フセイン元イラク大統領の死刑執行
・トリノ冬季五輪開催、フィギュアスケートの荒川静香選手が金メダル

【22号/2006年4-5月】「負の遺産」を国際貢献に“特命・UN Mission”

2006年、カンボジアは初めて国連の平和維持活動(PKO)に参加。カンボジア政府軍地雷撤去部隊がスーダンへ渡った。かつてPKOを受ける立場だったカンボジアには2017年の現在もなお地雷や不発弾が眠り撤去活動が続いているが、その“負の遺産”を“国際貢献”に変える大きな一歩を踏み出した。記事では2月の式典の様子を“関係者の誰もが誇り高い気持ちでいっぱいだった”と伝えている。これ以降カンボジアはレバノン、シリア、マリなどにも派遣し、世界の平和への貢献を続けている。

 

【25号/2006年10-11月】スタートラインに立つとき

1975年から1979年のポル・ポト政権下で行われた大量虐殺などの重大な犯罪について、政権の幹部らを裁く「カンボジア特別法廷」が運営開始。2006年7月3日、裁判に参加する判事や検事の就任宣誓式がプノンペンの王宮で執り行われ、共同検察官による予備捜査も始まった。カンボジアは、悲しい歴史から前へ進むスタートラインにようやく立ったのだ。あの時代に何があったのか、法廷の実現に取り組む人たちの想い、法廷の先にあるものは…そんな特集を組んだ。

 

<2007年>

in Cambodia
・「日・カンボジア投資協定(投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とカンボジア王国との間の協定)」締結
・カンボジア特別法廷がカン・ケク ・イウ(通称ドゥイ)に加え、ポル・ポト政権最高幹部のヌオン・チア、キュー・サムファン、イエン・サリ、イエン・チリトを拘束

in Japan
・安倍首相退陣、福田内閣発足
・新潟県中越沖地震

World
・フランス大統領選でサルコジ氏が勝利
・アップル社が初代iPhoneを発売

【29号/2007年6-7月】ビジネスのビッグウェーブ到来か

日本とカンボジアの間で投資協定に署名を交わしたのが6月。時を同じくしてニョニュムでは、家の前の道路の舗装や分譲住宅地のオープンといった生活環境の変化から「ビジネスの波」到来の兆しを感じ、プノンペン、シェムリァップ、シアヌークビルを駆け巡って取材した。この年のカンボジア日本人商工会(JBAC)正会員は34社とまだまだ少なかったものの、「○○国の××社が進出」「△△社が投資ライセンス取得」といったニュースが連日のように飛び交い始めたころだった。

 

<2008年>

in Cambodia
・プレァヴィヒァ寺院が世界遺産登録
・第4回国民議会議員選挙、第4次フン・セン内閣発足
・日本カンボジア外交関係樹立55周年、55件の記念行事を実施
・シハモニ国王からニョニュムに感謝状!32号(2008年12月-2009年1月)で「カンボジア王国の勲章」を取り上げたことに対して、なんと国王から感謝状を授与!

in Japan
・福田首相退陣、麻生内閣発足
・日本でもiPhone販売開始

World
・米大統領選でオバマ氏が当選
・北京五輪開催
・リーマン・ブラザースが経営破綻

緊急特集【36号/2008年8-9月】世界遺産誕生! プレァヴィヒァ遺跡

別の特集で取材を進めていたところに舞い込んできた「プレァヴィヒァ寺院、7月7日に世界遺産登録ほぼ確定」のニュース。急遽予定を変更し、この特集を組んだ。タイとの国境の断崖に建ち“天空の遺跡”とも称される遺跡の全容、「クメールの誇り!」と歓喜に沸く人々の声、その一方で領有権を主張し強い反発を示すタイとの衝突についても伝えた。

 

<2009年>

in Cambodia
・日メコン交流年
・シェムリァップで第2回日メコン外相会議

in Japan
・衆院選で民主党が圧勝、鳩山内閣発足
・裁判員制度スタート
・WBCで日本が連覇

World
・マイケル・ジャクソンさん死去
・オバマ米大統領にノーベル平和賞

【41号/2009年6-7月・44号/2009年12月-2010年1月】歌丸師匠が、漫画家・西原さんがカンボジアにやってきた!“ゲゲゲの”妖怪たちも!?

日本とメコン地域諸国の交流拡大を目的に設定された「日メコン交流年」の2009年、プノンペンで桂歌丸師匠ご一行による寄席公演が開催された。ニョニュムではその様子とあわせて「カンボジア伝統芸能の世界」 を特集した(44号/2009年12月-2010年1月)。同号では親子旅で訪れた漫画家の西原理恵子さんへのインタビューも実現、そして41号(2009年6-7月)の「カンボジアのお化け」特集では、日本の妖怪漫画の第一人者である水木しげるさんからのメッセージとともに「ゲゲゲの鬼太郎と仲間たち」が誌面に登場。ニョニュム誌面でもカンボジアと日本の文化的交流が盛んに行われた年だった。

 

カンボジアの“いいもの”を集めたニョニュムショップ開店!

カンボジアの誇りと地域おこしにつながることを目指し、「メイド・イン・カンボジア」の手工芸品や雑貨、お菓子などを集めたセレクトショップ「NyoNyum Shop」がオープン!

2020年からはロシアンマーケット付近に移転

 

 

<2010年>

in Cambodia
・カンボジア特別法廷で初の判決、ドゥイ元S21所長に禁固35年の有罪判決
・日本カンボジア友好条約調印55周年
・シハモニ国王が国賓として訪日

in Japan
・鳩山首相退陣、菅内閣発足
・朝青龍引退

World
・バンクーバー冬季五輪開催
・ギリシャ財政危機問題を発端に世界同時株安が起こる

【48号/2010年8-9月】判決の日

カンボジア特別法廷(クメール・ルージュ裁判)で初めての判決が下った。7月26日、元トゥールスレン収容所(S21)所長のカン・ケク ・イウ(通称ドゥイ)被告に禁固35年の実刑判決が言い渡された。これに対し被告・検察の双方から控訴がなされた。上訴審では一審の判決が破棄され、2012年に最高刑の終身刑判決が確定した。また、ポル・ポト政権幹部のヌオン・チア元人民代表議会議長、キュー・サムファン元国家幹部会議長、イエン・サリ元副首相、イエン・チリト元社会問題相もこの年に起訴された。ニョニュムでは2009年から2013年まで『ポル・ポト法廷傍聴記』(42号~64号)で裁判の経緯を伝えた。

 

<2011年>

in Cambodia
・パリ和平協定20周年
・カンボジア特別法廷、ヌオン・チア元人民代表議会議

in Japan
・東日本大震災
・菅首相退陣、野田内閣発足
・サッカー女子W杯で日本チーム「なでしこジャパン」が優勝

World
・ 北朝鮮の金正日総書記が死去
・タイで大洪水、日系企業にも甚大な被害
・エジプトで大規模デモ、30年間独裁のムバラク大統領辞任へ
・新国家「南スーダン」独立

【52号/2011年4-5月】東日本大震災に寄せられたこの国の人たちの思いやり

この年の3月11日、日本は未曾有の大災害に襲われた。地震、津波、原発事故。カンボジアでなすすべもなく不安と悲しみにいらだつ私たち日本人を包んでくれたのは、この国の人たちの温かい言葉と思いやりだった。「ほんの少しですが、心の底から日本のみなさんの悲しみを分かち合いたい」。そんな手紙を添えて日本大使館に5ドルの寄付を届けてくれたモトドップの運転手さん。シェムリァップで行われた募金バザーでは、すりきれたシャツを着た物乞いのおばさんが「日本人のために」と2,000リエルでシャツを買ってくれた。このほかたくさんのカンボジアの人たちの優しさを集めて掲載した。

 

<2012年>

in Cambodia
・シアヌーク前国王崩御
・カンボジアがASEAN議長国に、
プノンペンで野田首相とフン・セン首相の首脳会議も開催
・上院議員選挙、統一地方選挙

in Japan
衆院選で自民党が圧勝、第2次安倍内閣 発足
・山中伸弥・京大教授がiPS細胞でノーベル生理学・医学賞受賞

World
・米大統領選でオバマ氏再選
・ロンドン五輪開催

【62号/2012年12月-2013年1月】死を悼む人々と王宮前の出来事

10月15日、カンボジアのシアヌーク前国王が北京で死去した。89歳だった。フランスからの独立、内戦、和平と激動の現代史を生き抜いた前国王に対する国民の敬愛の念は深く、遺体がプノンペンに到着した10月17日には、数十万人が沿道に迎え出た。誌面では、死を悼む人々の想いを掲載。また、写真+エッセイの連載『フォトさんぽ』 で、10月23日に行われた儀式中の不思議な出来事に触れた。モニク前王妃とシハモニ国王、1万人近い僧侶、多くの市民が王宮前に集まり儀式が始まると、曇っていた空が晴れ始めた。そして1回目の念仏が終わったころ、晴れた夜空に前国王の顔のように見える雲が一瞬浮かんで消えていったという。

 

<2013年>

in Cambodia
・日本カンボジア外交関係樹立60周年
・第5回国民議会議員選挙、第5次フン・セン内閣発足
・ニョニュム10周年!NyoNyum’s 10th Anniversary

in Japan
・プノンペンにて開かれた世界遺産委員会で富士山の世界遺産登録が決定
・2020年の東京五輪開催が決定

World
・英国のウィリアム王子夫妻に第1子となる男児誕生
・アルジェリアで人質事件、日本人10人を含む外国人人質37人が死亡

【67号/2013年10-11月】気になるあそこに再訪問!

思えば10年、カンボジアのいろんな表情を伝えてきた。また会いたい、今はどうなってるんだろう?その後が気になる人や場所もたくさんある。10年のバックナンバーから9つのトピックを選んで再び取材した。素焼き土鍋の行商のおじさんの“足”は3年経って牛車からバイクに。織物の島・コッダイでは、材料費の値上がりなども影響し、工場に働きに出る人が増えて機織りを生業とする人が減るなか、「私は織るのが好き!」とその技を継ぐ若い女性に出会った。人気の揚げバナナ店は4年の間に支店まで持つように。良くも悪くもいろんな変化を発見した再訪問だった。

 

ニョニュム祭りとみんなの笑顔

読者の方々、広告主の方々に支えられ、励まされて迎えた10周年。感謝の気持ちを“ニョニュムらしく伝えたい”と、「みんなの笑顔」を募集して誌面に掲載する特別企画を実施(67号)、そして10月・11月にはプノンペンとシェムリァップで「ニョニュム祭り」と題したイベントを開催した。誌面もイベントもみんなの“ニョニュム(笑10周年顔)”でいっぱいに!

 

<2014年>

in Cambodia
・プノンペンにイオンモールがオープン
・アジア競技大会でカンボジア初の金メダル、テコンドーのシウマイ選手が優勝
・カンボジア特別法廷でヌオン・チア、キュー・サムファン両被告に終身刑の判決

in Japan
・「STAP細胞」真偽騒動
・御嶽山が噴火
・消費税が8%に

World
・エボラ出血熱でWHOが緊急事態宣言
・ソチ冬季五輪開催、フィギュアスケートの羽生結弦選手が金メダル

【73号/2014年10-11月】どんなデート、してますか?

ニョニュム2回目のデート特集。この号では実際のカップル5組に登場してもらった。1回目の2010年の特集(50号)で“最新”デートスポットと紹介したコピッチ(ダイヤモンドアイランド)も変わらず人気だけど、2014年のホットなデートコースといえばオープンしたばかりの「イオンモール」。

洋服、雑貨、飲食店、ゲームセンター、映画館…と何でもそろう真新しいショッピングモールがプノンペンっ子の心をわしづかみに。カップルだけでなく友達同士や家族連れまで、休日ともなると“銀ぶら”ならぬ“イオンぶら”する人たちであふれた。イオン出店とともに日系企業の進出ラッシュも起こり、経済成長をひしひしと感じる年だった。

そんななか、逆に「いまだにそうなの!?」と“変わらなさ”に驚かされたのが、「結婚前の男女が2人きりで出かけることはふしだら」とされるというカンボジアの恋愛事情。実名&顔出しで挑んだこの企画、「親に知られたらマズイ」と断られまくり、出てくれるカップル探しに苦労した。

 

「ニョニュムクメール」創刊!

日本語と英語が載ったニョニュムは、日本語学習者など実はカンボジア人読者も少なくない。「クメール語は出さないの? 僕は日本語を勉強したから読めるけど、ほかのカンボジア人にも読んでほしい」。そんな声をいただくことも。ニョニュム10周年の2013年に決意して準備を進め、2014年1月、“カンボジアと日本をつなぐ”クメール語誌「ニョニュムクメール」を創刊した。

 

<2015年>

in Cambodia
・「つばさ橋」開通
・サッカーW杯予選でカンボジアと日本が対戦
・2023年SEA Gamesの開催地がカンボジアに決定
・プノンペンに日本人学校開校

in Japan
・ラグビーW杯で日本が優勝候補の南アフリカから歴史的勝利
・代々木公園でカンボジアフェスティバル初開催

World
・パリで同時多発テロ
・米とキューバが54年ぶりに国交回復

【80号/2015年12月-2016年1月】カンボジア、善戦!

2018年開催のサッカーW杯ロシア大会のアジア2次予選で、カンボジアは日本と同組に。カンボジアでも有名な本田選手や香川選手もやってくる!と大注目のカンボジア対日本戦は、11月17日、プノンペンのオリンピックスタジアムで行われた。結果は0-2で負けたものの、前半を無失点に抑えるなどカンボジアは大接戦を演じた。世界ランキングでも大きな差がある日本相手の善戦に、集まった観客たちも大興奮。その熱狂ぶりなど、この年一番アツかったビッグイベントの様子を、選手に観客、試合終了後の大渋滞まで、当日のひとコマを写した写真を散りばめてレポートした。

 

<2016年>

in Cambodia
・ANAが成田-プノンペン直行便を就航
・プノンペンと北九州市が姉妹都市に
・政治評論家のカェム・レイ氏が射殺される

in Japan
・熊本地震
・大隅良典・東京工業大栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞
・ポケモンGOが大ヒット

World
・タイのプミポン国王死去
・ミャンマー新政権発足
・米大統領選でトランプ氏勝利
・リオ五輪開催

【85号/2016年10-11月】カンボジア⇔日本、念願の直行便!

飛ぶ、飛ぶ、と言われながらなかなか実現しなかった日本とカンボジアの直行便。実はANA(全日本空輸)から就航の正式発表があったあとも、これまで何社かの肩すかしを経験してきたカンボジア在住者の間では「ホントにホント~?」という雰囲気も。しかし、そんな心配をよそに9月1日、ANAによる直行便が無事就航! 青空の中に機体が姿を現すと、地上にいた関係者からは歓声が。着陸の瞬間は大きな拍手で迎えられた。そんな感動の瞬間を『Hot News』として伝えた。 だが、2020年4月にコロナの影響でANAは運休を発表。運航再開が望まれるが、果たしてその可能性はあるのだろうか…。

 

<2017年>

in Cambodia
・サンボープレイクック遺跡群が世界遺産登録
・統一地方選挙

in Japan
・フィギュアスケートの浅田真央選手が引退
・石澤良昭・上智大教授がアンコール遺跡の研究や修復・保全などでマグサイサイ賞受賞

World
・仏大統領選でマクロン氏当選、仏史上最年少の大統領に
・韓国のパク・クネ大統領が罷免、逮捕

【90号/2017年8-9月】3つ目の世界遺産、サンボープレイクック遺跡群

カンボジア第3の世界遺産“候補”と言われ続けてきたサンボープレイクック。7月8日、ついに世界遺産に認定された。7世紀に栄えた真臘王朝の都の跡で、コンポントム州の森の中に、レンガ造りの寺院遺跡が広範囲にわたって点在する。森の自然と人々の暮らしに囲まれた静かな佇まいもこの遺跡群の魅力。

ニョニュムではかつて、観光省とのコラボ企画『○○州を歩こう!』 のコンポントム編(45号/2010年2-3月)、農村の暮らしを体験する『農村ステイガイド』 (52号/2011年4-5月)の中でもサンボープレイクックを取り上げている。

 

<2018年>

in Cambodia
・日本・カンボジア外交関係樹立65周年
・第6回国民議会議員選挙、第6次フン・セン内閣発足、一党体制に
・イオンモール2号店オープン
・本田圭佑選手、サッカーカンボジア代表の実質的な代表監督に就任

in Japan
・安室奈美恵さん引退
・豊洲市場が開場
・大谷翔平選手、メジャー新人王に

World
・史上初の米朝首脳会談
・インドネシア・スラウェシ島地震
・平昌冬季五開催

【98号/2018年12月-2019年1月】日本に羽ばたくカンボジア人を追ってみました

「日本カンボジア友好65周年」にあたり、両国の交流の形を探ってみようという思いからこの企画が誕生。カンボジアを飛び出して、「日本にいるカンボジア人」にスポットを当てて、留学、就職、実習、研修、大使館勤務といったさまざまな立場で日本で活躍するカンボジアの若者たちに話を聞き、日本での経験や学びを語っていただいた。

また、駐日カンボジア大使館に赴任した労働省出向の労働参事官のインタビューも実施。民間活動と、特に技能実習生や特定技能制度に対するカンボジア政府のサポート体制も伝えた。

 

<2019年>

in Cambodia
・ヌォン・チア元人民代表議会議長死去
・電力不足、全国的な計画停電実施

in Japan
・第125代天皇明仁陛下退位、皇太子徳仁親王殿下が第126代天皇に即位
・令和時代が始まる

World
・中国の探査機が世界で初めて月裏側着陸
・ノートルダム大聖堂で大火災

【100号/2019年4-5月】100号記念イベントを行いました!

ニョニュムが100号を迎え、プノンペンでイベントを開催。ボパナセンターの会場に多くの読者、関係者の皆様に来ていただいた。特別対談として「アンコール見聞録」を寄稿いただいている三輪悟さんと、ニョニュム発行人・山崎幸恵のニョニュムの生い立ち秘話トークショーや、景品が当たるクイズ大会も。

誌面では読者の皆様のカンボジアやニョニュムにまつわるさまざまな声を掲載させていただき、ニョニュムが多くの人に愛されて100号を迎えたのだということを実感…! この100号記念に合わせてサイトに動画もアップするなど、誌面、対面、デジタルで盛りだくさんの記念イベントとなった。

 

<2020年>

in Cambodia
・新型コロナウイルス拡大の中、クルーズ船「ウエステルダム号」入港受け入れ
・ANA成田-プノンペン直行便運休

in Japan
・ 新型コロナウイルスで緊急事態宣言
・東京五輪延期
・菅内閣発足

World
・WHOが新型コロナウイルスを「パンデミック」と宣言
・米大統領選でバイデン氏勝利
・英国がEU離脱

【108号/2020年8-9月】コロナ禍で頑張るお店を応援しよう

パンデミックとなった新型コロナウイルス。カンボジアでもその影響は大きなものだった。観光客や出張者などの往来がなくなり、ANA直行便が運休となり、経済活動は大きく低迷。ニョニュムもどういう情報を届けられるか頭を悩ませ、当時はまだ出勤もできたし日々の仕事や生活が営まれていたので、こういう時だからこそ外に出てみよう、と考えた企画だった。

ニョニュムオフィスのご近所であるトゥールトンポンエリアを徹底的に歩いて頑張って営業しているお店を紹介。この号を持ってお店を訪れた読者の方もいたようで、その話を聞いたときはうれしかったです。

 

<2021年>

in Cambodia
・新型コロナウイルスにより各都市でロックダウン
・ラナリット殿下逝去
・新投資法施行

in Japan
・東京五輪開催
・第1次岸田内閣発足
・デジタル庁始動

World
・新型コロナウイルス感染者2億人を超える
・ミャンマーで国軍がクーデター
・タリバンがアフガニスタン掌握

【115号/2021年10-11月】祝・東京五輪‼

東京 2020オリンピック・パラリンピックが 1 年遅れて開催。コロナ禍での開催にはいろいろな議論や不安もありながらカンボジア選手団も無事日本へ赴き、自分たちの力を発揮した。コロナ禍で練習を重ね、大舞台で 活躍した選手たち、それを支えるボランティアスタッフ、コーチ陣、カンボジアオリンピック委員会の皆さんから、東京大会のお話を聞かせていただいた。

カンボジアは2023年に SEA Gamesの開催国となることから、選手団を率いたカンボジアオリンピック委員会事務局長ワット・チョムラゥンさんも、「運営方法など多くのことを学ぶことができた」とおっしゃっていたのが印象的だった。

 

<2022年>

in Cambodia
・岸田総理がカンボジア訪問、フン・セン首相が日本訪問
・バイデン大統領がカンボジアを訪問
・プノンペン-シアヌークビル間の高速道路開通
・カンボジアが議長国でASEAN首脳会議開催

in Japan
・サッカーW杯で日本がベスト16
・安倍元首相襲撃事件
・円安1ドル150円突破

World
・ロシアがウクライナ侵攻
・エリザベス女王逝去
・新型コロナウイルス感染者6億人を超える

【118号/2022年4-5月】癒しのペット

日本でコロナ禍になりペットを飼う人が増えたというニュースがあった。ここカンボジアでも行動制限やロックダウンという措置がとられる中、ペットを飼っている人はその存在が癒しとなっていたことだろう。何を隠そう、私(山崎)もロックダウン直前に子犬が家にやってきて、本当に心が和んだという体験がある。ペットを飼う者として街を歩いたり動物病院に通ったりしている中で、カンボジア人がペットを連れている姿が以前と比べると多くなったと気づく。

そこで、カンボジア人のペットとの関係を調べてみようということに。ペットを飼う人、ペット関連のサービスを行う人の思いを取材。カンボジア社会における犬・猫迷信も盛り込んで、カンボジア文化も知っていただけるよう意識した。

 

<2023年>

in Cambodia
・カンボジアでSEA Games開催
・フン・セン首相辞任、フン・マネット政権誕生
・日本・カンボジア外交関係樹立70周年
・第7回国民議会議員選挙

in Japan
・新型コロナ、インフル同等の5類移行
・WBCで日本が3大会ぶり3回目の世界一
・バスケットボールW杯で日本がパリ五輪出場決定
・ジャニーズ性加害問題
・円安続く

World
・トルコ・シリアでM7.8の地震
・英国で70年ぶりの戴冠式
・ハワイ・マウイ島で山火事
・イスラム組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃

【124号/2023年4-5月】SEA Games

カンボジアは世界の中でも早くから「アフターコロナ」に突入。2022年のASEAN首脳会議議長国を経て、いよいよ2023年はカンボジアで初めてのSEA Games(東南アジア競技大会)の主催国となったカンボジア。ニョニュムではこの大会に挑む選手たちの練習の様子や大会に対する思いを取材した。

そんな中、日本の団体やサポーターが支援する選手たちがいると聞いて、連絡をとってみることに。そして日本で強化練習をしているブレイクダンスの選手に滞在先の大阪で取材をさせていただいた。当時はまだマスクをしてのインタビューだったが、こうやって日本とカンボジアを往来できるようになったことは心からうれしいと思える取材だった。

5月に行われた大会は無事終了。実は「社長命令」でニョニュムスタッフもボランティアとして期間中この大会に参加 。そのレポートを125号(2023年6-7月)に掲載した。スタッフにとっても思い出深い大会となったようだ。

 

制作スタッフの声

また、これまでニョニュム制作に大きく貢献し、ニョニュムを愛してくれた元編集者たちのコメントも紹介します。皆さん、お疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました!

 

カンボジアが好きになって、何度か渡カンする中で知ったニョニュム。現地の生きた情報が多くて、ちょっと泥臭いところも好きでした。カンボジアで働きたい、できるならニョニュムで…!そんな思いを編集部にぶつけたところ、運良くスタッフとして加われることに。2012年~2016年は編集長もさせていただき、“カンボジアを知りたい欲”を取材を通して毎号ぶつけては、ああ、やっぱりカンボジアっておもしろいの無限ループの沼にハマっていました。そんな私のカンボジアにおける青春の象徴みたいなニョニュム紙版が休刊するのは寂しいですが、とにかく伝えたいのは感謝の言葉。オークン!(おーちゃん元編集長)

 

「毎号毎号、テーマ考えるの大変じゃない?」よく聞かれました。確かに悩むこともありましたが、これにしよう!と決まるとあれもこれも調べたい!伝えたい!があふれてきて…。ページ数と時間のリミットと悪戦苦闘していました。カンボジアの20年を見て伝えて来たニョニュム。この一覧を見て興味がある号があれば、ぜひ読んでほしいなーって思います。どれもその時々のカンボジアがぎゅぎゅーっとつまっていますよ。(よしこ元編集長)

 

「この国を伝える」ここに生きる人々の顔が文章から垣間見れる、その通りの情報誌。私もこの視点からカンボジアを見たい!と、ほとんど直談判のように事務所を訪ね、大学卒業と同時に飛び込み、たくさんの人やモノ・コト、景色や現場に出会わせていただきました。知らないことを知るって本当に楽しくて「すごい!おもしろい!」と何度心躍ったか数え切れません…。20年、いろ~んなカンボジアを伝え続けてきてくれて、私もその一部に関われて、感謝の気持ちでいっぱいです!(編集スタッフ萌)

 

創刊号から今号までの127号、ニョニュムのすべての表紙画を描いているのはカンボジア在住のフランス人画家、ステフさん。創刊の際、たまたま広告営業で立ち寄った彼のギャラリーでコンセプトを伝えると、「私のギャラリーはHappy Painting。あなたたちはニョニュム(Smile)。ハッピーとスマイルで素敵なコラボレーションができるね」と。それから毎号特集のテーマに沿って絵を提供し続けてくれました。運命的で素敵な出会い、手に取った瞬間からハッピーでニョニュムな雑誌を届け続けることができました。

本当にありがとうございました。

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