カンボジア生活情報誌NyoNyum 101号から連載している、カンボジアで長年、障がい者スポーツ(パラスポーツ)の普及活動を行なっている団体、ハート・オブ・ゴールドの米山遥香(よねやま・はるか)さんが普及活動の様子を紹介するコラム「Para-Sports in Cambodia!」をNyoNyum WEBでも公開します。
第25回目の今回は、「ASEAN PARA GAMES CAMBODIA 2023 大会レポ!」です。
ハート・オブ・ゴールドとは
1996年12月に開催されたアンコールワット国際ハーフマラソンに関わった人々により、「スポーツを通じて国境、人種、ハンディキャップを超えて希望と勇気の共有を実現」することを目指し、1998年 10月10日にNGOとして発足。
2001年3月には岡山県よりNPO法人認定を、2012年には岡山市から認定 NPO法人となり現在に至る。
被災地や紛争地および開発途上国の子どもた達、障害者、貧困者層の人々に対して、スポーツや教育、そのほかの活動を通じて自立につながる事業を行い、苦境 に立ち向かう人々や子ども達が人生にchallengeするための「希望と勇気」を持つことができる機会創造に寄与することを目的としている。
特に、途上国の人々が自分たちの抱える問題を自らの力で解決していけることを目指し、彼らの視点に立って、彼らとともに人材育成に力を注いでいく。
※HEARTS of GOLD公式WEBサイトより
パラスポーツとは
障がい者スポーツの世界大会として、1960年のローマオリンピックから行われていたが、「パラリンピック」という正式名称が使われ始めたのは1988年のソウルオリンピックから。
日本は1964年の東京大会から、カンボジアは2000年のシドニー大会から参加している。
最近、障がい者スポーツのことを”パラスポーツ”という名称で呼ばれることが多く、最近では日本国内でも様々なパラスポーツの大会が行われることが多い。
ASEAN PARA GAMES CAMBODIA 2023 大会レポ!
カンボジアは雨季真っ只中。夕方のスコールの影響で道が川のようになり、さらに交通渋滞が増している今日この頃です。6月3日~9日の期間 ASEAN PARA GAMES CAMBODIA 2023 が開催されました。ASEAN11か国が参加し、カンボジアは金メダル9個、銀メダル18個、銅メダル44個を獲得し、全体で8位の成績でした。
今回私は個人的にパラ陸上のお手伝いをしていました。TIC (Technical Information Center) というところで、主に選手のスタートリスト、スケジュール確認、結果の管理等を行っていました。カンボジアは初開催ということもあり、大会組織委員会からの要請を受け、スポーツ庁が推進する国際貢献プログラム「Sport for Tomorrow」を通じて、 パラ陸上へは約20名の日本の審判団が派遣されました。その他パワーリフティング、水泳、車いすバスケットボールの競技にも審判団が派遣されたようです。
カンボジアの審判団はパラ陸上の審判は初めての人がほとんどで、日本の審判団に一から教えてもらいながら無事に4日間の大会日程が終了しました。走り幅跳びを担当していた日本の審判団によると「カンボジアの審判団は、とてもまじめで勉強熱心で、教えたことをすぐに吸収して、徐々にサポートがなくても自分たちで計測ができるようになっていて、とても感心しました」と話していました。私も TIC ではカンボジア人スタッフとともにパソコン作業を中心に行っていましたが、仕事をサクサクと進め、情報処理能力の高い優秀な人材がたくさんいたのが印象的でした。
カンボジア審判団も TIC もほぼみんなパラ陸上に関わるのが初めてのようでしたが、この体験を次に活かしたり、家族や友人に話したりすることでパラスポーツへの理解が少しずつでも深まり、広まれば嬉しいと感じています。
(この記事は2023年8月に発行されたNyoNuym126号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)
カンボジア在住9年目。大学時代、健康スポーツについて学ぶ傍ら、カンボジアを支援する学生団体でボランティア活動を行い「将来カンボジアでスポーツ開発に関わる仕事がしたい」と思っていたところ、NPO ハート・オブ・ゴールドに出会う。卒業後にカンボジアへ渡り、同団体で2年間インターンとして活動し、3年目から職員に。
これまでの記事
・第1回:ハート・オブ・ゴールドがカンボジアでパラスポーツ支援を始めたきっかけ
・第2回:カンボジアパラ陸上競技会と プノンペン補習授業校の社会科見学
・第3回:注目のパラ陸上選手を紹介!
・第4回:アンコールワット国際ハーフマラソンへ向けて&結果報告
・第5回:第10回ASEAN Para Games へ向けて
・第6回:陸上クリニックと絆フェスティバル
・第7回:カンボジア国内のコロナ禍でのパラスポーツの活動自粛と再開
・第8回:日本のパラリンピアンとの絆
・第9回:カンボジアパラリンピックデー
・第10回:コロナ禍でも前進
・第11回:クラウドファンディングに挑戦!
・第12回:ロックダウン下でのトレーニング
・第13回:いざ東京パラリンピックへ!
・第14回:東京パラリンピックで歴史的快挙!!
・第15回:第26回アンコールワット国際ハーフマラソンの開催決定!
・第16回:新スタジアム(MORODOK TECHO NATIONAL STADIUM)の完成とアンコールワット国際ハ ーフマラソン
・第17回:バッタンバン州にてパラ陸上選手選考会を実施
・第18回:第4回カンボジアパラ陸上競技会を開催!
・第19回:第11回ASEAN Para Games(インドネシア)へ!
・第20回:第11 回ASEAN Para Games(インドネシア)を終えて
・第21回:日本製競技用車いすを作製
・第22回:第27回アンコールワット国際ハーフマラソンに参加
・第23回:#BeyondTheGamesとは
・第24回:SEA GAMES 2023 が開幕!
・第25回:ASEAN PARA GAMES CAMBODIA 2023 大会レポ!
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