近年、目覚ましい経済発展を遂げるカンボジア。
国内の急速なデジタル化で情報を得た若者は国外へ飛び出すものも多いです。
日本へ向かう若者もここ数年で数倍に増えてきています。
勉学に励むもの、母国の発展のために働きながら技術を習得するものなど。
日本で日々奮闘しているカンボジア人の姿をNyoNyumの姉妹誌NyoNyum Khmer内の「レポートフロムジャパン」というコーナーを通して紹介してきました。
反響が多かったので読者の日本人の方や日本語学習するカンボジア人の方にもにも知ってもらいたいということでweb版では今回から日本語版でも紹介していきたいと思います。
自分を悲観的に見るより、自信をもって前進しよう!
NOEUN Monyneath(ヌーン・モニーニエット) さん(21)は、今年4月に武蔵野大学の国際ビジネス学部を卒業した。
彼女は“Global Leader Scholarship”という大学の奨学金プログラムで2016年に来日。
卒業までの4年間の日本留学から何を得たのか。
そして、日本の生活にどんな思いを持っているのか。
日本でのカンボジア人留学生生活の実態と留学の思いなど伝えるために今回インタビューさせていただきました。
Q: 日本に留学に行く前にはどんな勉強をしていましたか。
私は2015年8月に高校を卒業してから、プノンペン王立大学の行政学部に進学したのと同時に、奨学金で王立法律経済大学の国際関係学部にも進学できました。日本に来る前、それぞれの大学で半年間勉強していました。
Q: 日本へ留学したきっかけは何ですか。
新しいことをチャレンジしたいのと独立したいという思いで、海外留学を考えたのは高校3年生の時でした。カンボジアと違う海外の教育と異文化を体験したかったからです。そして、当時は自分の心地よい居場所から脱出したいという思いもあったため、色々な奨学金を探し始めた結果、Global Leader Scholarshipという自分にちょうど良い日本への奨学金が見つかりました。
Q: どうやってこの Global Leader Scholarship奨学金が得られましたか。
この奨学金は武蔵野大学によって支給されています。この奨学金を得るには、IELTS、TOEFL、TOEICという英語の能力検定試験で高い成績を得ないといけません。奨学金の願書もインタビュー試験も英語で行います。奨学金は学費のみカバーし、出願者は日本での生活費を自分で負担しないといけないという条件でした。この奨学金は武蔵野大学の国際ビジネス学部だけに支給されています。
Q: 所属した学部はどんな特徴がありますか。
この学部を選択した理由は、日本の大学の中でも珍しい英語で授業を行っているという特徴があったからです。この大学で世界のいろいろな国からやってきた他の外国の学生と英語で交流することもできます。大学のカリキュラム(シラバス)で設置されたマーケティングや金融サービス、貿易経済、国際貿易、商業と関連する他の科目も履修でき、自分の知識を広げることができました。
Q: 日本留学の生活はどうですか。
日本の生活では、勉強と同時に生活のためにアルバイトをしないといけません。うどん屋さんでアルバイトをしているため、勉強との両立にちょっとプレッシャーを抱えていました。例えば、期末試験の時期は、勉強とアルバイトのシフトが同時においかぶさってくるので、深夜まで勉強したり、電車の中で試験勉強をしたりしていました。それがとても大変で体力的に疲労しましたが、自分にとっては良い将来への投資になると思います。
また、専門科目に取り組んでいるうえに、日本語の学習クラスも履修しないといけません。日常生活で日本語ができないと本当に困り、特に最初の頃にはアルバイトを探すのに本当に困っていました。しかし、大学の日本の友達が本当に明るく、親切で、みんな英語も上手だったので、来日当初からよく助けてもらっていました。
Q: 日本人の生活についてはどう思いますか。
日本人は生活の秩序がとても良いです。日本の各機関の経営文化とそのシステムに非常に関心を持っています。仕事は一般的に個人で決めるよりもみんなで決めてやります。そして、日本人が時間をちゃんと守り、親切で、丁寧、さらに他人のことを良く考えて行動するところがとても好きです。相互の利益を主に物事を考え、一丸になって働くという日本人の働き文化があるからこそ、現在のように発展している日本が成り立っているのだと思います。
Q: 卒業後はどうしますか。
この大学を卒業した後、将来的に海外と投資ができるフランチャイズチェーンの飲食店をやりたいと思っています。将来は、この飲食店をシェムリアップやシアヌークビルなどカンボジア国内だけでなく、東南アジアマーケットにも展開したいと思います。そして、自分の留学の経験を他の学生に伝えたいので、大学のパートタイム講師にもなりたいですね。
Q: これから世界へ羽ばたくであろう若いカンボジア人に伝えたいことはありますか。
カンボジアの学生たちに伝えたいことがあります。それは自分を悲観的に見るよりは、自分がやっていることに自信を持ち、自分の夢を実現するようにしてみてください。
そして、夢が実現するまでは失望せず、自分ができる限りの努力をして頑張ってください。自分の希望を安易に捨てず、色々なチャレンジをしてください。
日本への留学に希望を持つ人には奨学金がありますし、日本語の勉強など、前もっての準備をしたりしてください。あらゆる手段で日本留学の奨学金を探して是非日本留学へチャレンジしてください。
(NyoNyum Khmer 38号掲載)
※掲載情報は取材当時の情報です
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