カンボジアはコーヒーが大好きなお国柄。特に都市部では、街とコーヒーは切っても切り離せない。シェムリアップでは最近「ちょっとおしゃれな屋台カフェ」といったコンセプトの店が、あちこちにオープンしてきた。
ひと昔前まではコーヒーと言えば、隣国ベトナムはじめカンボジア国内でも栽培される、ロブスタ種の豆を使った伝統スタイルの一杯(「練乳入り」もしくは「なし」。大抵はどちらも大変甘い)のことだった。かつて街中にたくさんあった屋台や食堂風カフェ、あるいは映画館のように店のテレビに向かってビーチチェア座席が並ぶ独特なスタイルの店がカフェの主流だった。
その一方、スタイリッシュなチェーン店がここ数年のうちに相次いでシェムリアップに進出してきた。「BROWN COFFEE AND BAKERY」「Gloria Jean’s Coffees」「Café Amazon」「STARBUCKS」など国内外の有名店が続々と出店。加えて「Common Grounds Coffee & Cyber Cafe」や、今回の特集でも紹介した「Sister Srey Cafe」「RedBuff Coffee House」など、チェーン系以外の素敵なカフェもあちこちで営業しており、実際、コーヒーブレイクの場所選びには困らない街なのだ。
そんなカフェ業界を一層多彩にするかのごとく、ここ1、2年で急増してきたのが、テイクアウト主体のちょっとおしゃれな屋台カフェ(移動式ではなく箱型の固定式屋台)だ。エスプレッソマシンを導入し、エスプレッソやカプチーノ、カフェラテといったエスプレッソ系の定番メニューを展開。価格的には1杯1.25ドル前後で、伝統タイプ(1杯0.5〜1ドル前後)とカフェチェーン店(2〜4ドル程度)のちょうど中間帯にある。屋台の気軽さと本格コーヒーのクオリティを兼ね備え、主に地元層をターゲットにしているようだ。5年ほど前くらいから登場し始め、次第に地元の人たちにも受け入れられて今ではそこかしこで見かけるように。テイクアウトまたは店先のパラソルの下でイスに腰かけ、手頃な価格で手軽にコーヒーが飲める。
観光や街歩きでちょっと疲れたなという時は、カフェで1杯。チェーン系やインディペンデント系のおしゃれカフェもいいけど、路上の屋台カフェもなかなか乙なもの。シェムリァップの多様なカフェ文化を体験してみて。
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