遺跡観光の街・シェムリアップから街角案内やホットな話題をお届け! 観光客が遺跡に出かけているころ、地元の人たちはどこで余暇を楽しんでいるんだろう? 地元っ子が集まる自然いっぱいのレジャースポットを訪ねてみました。
シェムリアップっ子が休日に集まる「トラウコッド」
シェムリアップの人々にとっての休日の定番といえば、アンコールワットのお濠や西バライの水辺でピクニック、ちょっと足を延ばしてクーレン山の滝見物……などで、自然の息吹を感じながら親しい人たちとともに憩うというもの。実はカンボジア人たちは大のアウトドア好きなのだ。
さらに近年は、エコツーリズムをうたった自然公園も整えられてきた。その中で、雄大な風景が魅力の「コミュニティ・エコツーリズム・オブ・トラウコッド(Community Eco-Tourism of Trav Kod)」は、爽快な休日レジャーの場として地元っ子に人気だ。
「トラウコッド」は、プノンクーレン(クーレン山)の麓にある美しい湖を中心とした親水パーク。アンコール王朝初期に一時都が置かれたといわれるクーレン山は、頂部が広く平らな台形の山容だが、そのなだらかな姿を湖面の先に見る風景は、山の少ないシェムリアップではなかなか見られない絶景だ。このトラウコッド湖畔に東屋式の休憩所を持つレストランやローカルタイプの食堂が並び、休日を過ごすカンボジア人たちで賑わっている。
エコツーリズムと地元経済
エコツーリズムは、自然環境を守りつつ地域経済を向上させることを目指して、地元有志らの音頭で進められてきた。足漕ぎボートでの湖上遊覧も楽しめ、岸辺では水遊びをする子どもたちの歓声が1日中絶えない。焼き鳥、焼き魚、フルーツジュース等の店も並び、地域の人々の貴重な現金収入源となっている。
2013年より地域啓発などの活動を進めてきた地元組織トラウコッド・コミュニティ・アソシエーションのオウ・パンニャ代表は「森の木を切るより、自然を守って観光資源とした方が地域の収入を期待できる。人々の意識も変わり始めた」と話す。
休日は水辺で涼しく過ごすのが定番
暑い国だけに、涼しさを誘う「水」がどうやら休日タイムのキーワードのようで、ここでも広さ60ヘクタールの水をたたえるというトラウコッド湖が、魅力のパワースポットとなっている。
美しく晴れ渡った日には、湖水の滑らかな水鏡が空や山や森を色鮮やかに映し出す。カンボジアでは東屋+ハンモックは水辺リゾートに欠かせないスペック。風通しのよい草葺きの東屋でのんびりとつくろぐのは、シンプルだがとてもぜいたくな時間の過ごし方に違いない。週末には1日1,000人程度が訪れているという。
湖畔にはすでに大小50のレストランや食堂、屋台が営業。なかでも2015年オープンのシティガーデン・レストラン(City Garden)は食事ができる50の東屋があり、風情のある桟橋や熱帯のフラワーガーデンが見どころだ。大自然を目前にしながらおいしいクメール料理を楽しめる。
トラウコッド湖はシェムリアップ市街から東へ約28キロ。トゥクトゥクなら1時間程度。周辺道が整備されてアクセスしやすくなったが、外国人の観光コースとしてはまだ一般的とはいえず、訪れるなら信頼できる地元の人に案内してもらうのがベスト。近郊にはプノンボック(ボック山)、タニ窯跡、チャウスレイヴィボル遺跡などがある。
Contact:
Community Eco-Tourism of Trav Kod
Tel: 092-555-888 (Mr. OU Panha)
Web(クメール語または英語): www.travkodkoulen.com
(2017年10月発行 NyoNyum91号より)
・シェムリアップ旅行者に人気のおみやげに関する記事はこちら→モダンに取り入れる伝統医療 カンボジアの薬草を使ったスパ製品<kru khmer>
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