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人々が農業で安定した生計を立てられるように。日本人が作るオーガニックファーム

シェムリアップ近郊の森に、日本人が運営する有機無農薬栽培の農園がある。「スヴァイチェイクオーガニックファーム(SvayChek Organic Farm)」と名付けられたこの農園では、各種の果物や野菜が栽培されている。

オーナーは元アンコールクッキー(Angkor Cookies)経営者の小島幸子さん。地元への雇用創出などを目的に起業したクッキー生産で成功し、12年間に渡る経営でカンボジアのお土産物シーンに一つの時代を築いた小島さんだが、クッキー事業は新しい経営陣へと受け渡し、今度はカンボジアの農業や農村にスポットを当てた新たな活動をスタートさせている。

(農園を経営する小島幸子さん)

 

農業をお金を生み出せる産業に。「有機無農薬栽培」で育てる豊富な作物

農園は市街の北方29キロほど、クーレン山のなだらかな山容が望める美しい場所にあり、約40ヘクタールの敷地脇をシェムリァップ川が流れる。2014年から農場として整備を進め、現在マンゴー、バナナ、パイナップル、ライム、サトウキビなどの果物、また約30品種に上る各種の野菜を栽培している。

(マンゴーの木は現在、農園に3千本以上植えられているそう)

(バナナも同じく3千本以上)

(パイナップルはなんと2万本以上)

アンコールクッキー時代、商品の原材料生産地である農村との交流も重ねた小島さんは「都市部の経済発展の一方、農村部はこの10年何も変わっておらず、主要産業であるはずの農業がお金を生み出せる産業になっていない」ことに違和感を抱いたという。そして農村の人々が農業で安定した生計を立てられるようになることが必要と考え、農業プロジェクトをスタートさせた。

 

果樹と野菜に着目し、現地に合ったノウハウを蓄積するなど、まずは生産体制を確立。その上で果実を中心にした生産物の加工で商品の付加価値を高め、競争力のある経営モデルを築いていこうという戦略だ。品質、安全性、環境への配慮などから有機無農薬栽培というポリシーを貫いている。

 

 農場では今年、開園当初に植えたマンゴーの初収穫ができ、ドライフルーツなど近い将来の加工商品化に向けて蓄えている。またしっかりと熟したおいしいパイナップルや、地元の一般的なライム(「クローイチュマー」と呼ばれる500円玉ほどのサイズのふた回りほども大きなライム)など、オーガニックファームならではの力強い産品が目白押しだ。

 

野菜畑にはナス、トマト、タロイモ、カボチャ、レタス、ブロッコリー、ニンジンなどの畝が並び、農大出身のカンボジア人マネージャーの下、付近から働きに来るスタッフ約20人が丹精込めて育てている。

(左:大粒のクローイチュマー 右:生産責任者のトンさん)

 

「農業からの産業づくり。その一歩を築き、次世代へ渡す」

 近郊の農大などから学生たちが見学に来たり、ボランティアに参加することもある。また農村を対象に活動するNGOとのコラボレーションも。特に一般生産者にとってハードルの高い販路確保という側面での協力が期待されているという。現在はオールドマーケットに程近いコンビニ「Siem Reap River Market」で生産品を販売しているが、年内中には直営店をオープン予定だという。農園発足4年で収穫も軌道に乗り、販売面でも本格始動することとなった。

 

旅行会社とのタイアップで農園へのツアー受け入れも始める。そのための休憩施設なども敷地内に建設。観光客にとってもカンボジアをよりよく知る魅力的な体験型ツアーとなりそうだ。小島さんは「農業からの産業づくり。その一歩を築き、次世代へ渡すこと。これがファームの理念です」と話している。

 

SvayChek Organic Farm フェイスブックページ@SvayChekOrganicFarm

( 2018年10月発行 NyoNyum97号『シェムリァップ案内』より)
<最新情報>
2019年2月より、ファームツアーが開催されているようです!
午前8時30分〜10時30分までの2時間で毎日催行しているようです。(要事前予約)
ご興味ある方はこちらから

小島幸子さんブログ「ファームツアーの紹介」
http://svaychekfarm.blog.jp/archives/15919718.html