こんにちは。ボンユキです。
前回の続きです。
2本目の仕事は、どちらかというと経済・ビジネス関係の話でした。まったく異なる分野です。
前回の研修員は医師、看護師、助産師で、もちろん外国留学をした方もいますが、どちらかというと田舎の現場で働くスキルワーカー。一方の経済・ビジネス関係の役人さんは、みな英語もペラペラ、外国留学経験は当たりまえ、日本に留学していた女性もいて、会話している中でも英単語が混ざってしまうような、国家のトップクラスにいる人たち。
母子保健の研修が少し消化不良だったこともあって、後半のこの研修に対してどのようなモチベーションで望んだらいいのか。ちょっと悩みましたが、研修を進めるにつれて少しずつ自分の中で考えがまとまってきたところがあります。
すなわち、よくよく考えるとこういう分野は全てつながりがある。国民が健やかに生活し、きちんと働けることで経済を支えていく。そして国民が健やかに生活して働くのを支えるために経済がある。そう考えると医療と経済は切っても切り離せないものなのだなと。
企業活動があり、給料が支払われ、税金が収められる。国民は所得を得て、その所得を衣食住、教育、医療・福祉といった日々の生活に費やす。政府は税金を徴収し、公共事業、公共福祉、教育といったところにそれを分配する。その中に社会保障制度があったり、医療行政があったりする。
まったく異なる分野の彼らに、母子保健で私が出くわしたことを話しました。
彼女たちも母親であり、父親であり、そしてカンボジア人である。だから少し考えていたようでした。私は彼女たちに言いました。
「だから、私はカンボジアで企業活動という形で貢献する仕組みを模索してここまでやってきたの」
私の会社、カンボジア情報サービスは、経済と社会の循環の一旦となりたいという思いから創立した会社です。このお話も少しずつブログで書いていきたいと思いますが、私たちが企業としてこの国で活動することでお金が生み出され、それが給料として、税金として社会に還元されているはずだと思っています。
コンポンチュナンのプロジェクトはそのひとつの形。
女性が手に職をもち、地元にそのスキルが活かせる産業があれば、工場等に出稼ぎに行かなくとも家族のそばで働ける。そのスキルも外国から持ち込んだものでなくとも、もしその地元に昔からあるものが産業になるのであればなお良いではないか。子供は母性に包まれながら育ち、母親が収入を得ることで父親とともにしっかり子供に栄養を与え、教育を受けさせ、医療を受けさせることができる。そうすれば健康な子供が育ち、その子供たちは家族の、社会の人財となる。そして、その産業が国家歳入の一助となり、国家はそこから吸い上げた歳入を教育、福祉に還元する。。。
小さい体で精一杯呼吸をしている赤ちゃんを見ながら、周りにいる大人たちが「この子を助けて生きていこう」という希望が持てる世の中は、そういう経済活動があってはじめて実現する。
魚を与えるのではなく魚の釣り方を教える援助。
私はそれを、経済活動、企業活動であると解釈しました。一緒に働き、一緒に稼ぎ出し、分け合い、そして生きていく。もちろん、私の会社が、個人ができる事は限られている。でも何もしないよりはいいのよね。そういうところで気持ちを落ち着ける。
その一方で、そういう現場にいる職員と、そして国家の財務や経済を司る部署で働く役人と、日本で連続して関わったことには、何か意味が何かあるのかもしれない。そんな風に思います。
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