2003年のNyoNyum創刊当初から連載している「ボンユキエッセイ」。カンボジアに長年住むと街の移り変わりが見えてくる。
おもしろくもあり、どこかもどかしくもある。
通訳、翻訳、会社経営に奮闘中のボンユキこと山崎幸恵がおくるカンボジアあれこれ。
今回は仕事している方ならだれもが持っている商売道具についてのお話です。
商売道具は大切に!
世の中にはいろいろな職業があります。そして、それぞれに「商売道具」というものがあるでしょう。大工さんなら「カナヅチとカンナ」、野球選手なら「バットとグローブ」、経理は「そろばん」、弁護士は「六法全書」…。
時代は変わってそれらの道具は電動・電子仕様になったり、素材が大きく変化したりといろいろあるかもしれませんが、古今東西その職業ならではのアイテムというものはあるはずです。
通訳者にとっての商売道具ってなんでしょう?
メモ帳とボールペン? 通訳者でなくてもこれはみんな使ってますね。ん~やっぱり「口」とか「声」かなぁ。豊富な知識(頭)というのも必要ですが、アイテム(道具)として考えると一番近いのが口・声でしょうか。
そんなわけで通訳者であるわたくし・ボンユキは、おしゃべり好き(口)、発声練習(=カラオケ)が大好き(声)ということで、通訳者としての商売道具を生まれながらに兼ね備えた適任者であると密かに自負しているのです(笑)。
先日、ある通訳の仕事の待ち合わせの時間に、ちょっとした不注意で階段で足を踏み外して転落、向こう脛を怪我して全治2 週間という人生初といっていいほどの大怪我をしてしまいました。階段を降りている時だったので、前に倒れて体が宙に浮いた感覚のあと、全身で「着地」。顎を少し打ったものの、どうにか両手を前に体を支えたので大きな打撲はなく、後から落ちてきた足が階段の角に当たって怪我したもよう。
周りの人が驚き、私が一番驚いていたのですが、咄嗟に思ったのが「ああ、歯が折れたり口を切ったりしなくてよかった」ということ。今思えばワーカホリックもいいところ。瞬時に考えたのがこのあと通訳できるのか?ということだったのです。
足からは相当出血をしていたのですが、開始時間を気にしながら救急処置をしていただき、ぎりぎり会議室に滑り込み、それから延々3 時間弱。幸いにも机を挟んでの会議だったので、足は机の下にある。机の下でコソコソとティッシュを当てながら、上半身は平然と通訳をしている自分を、なんて健気なんだろうと思ったものです(苦笑)。
以前、「危険予知」訓練の通訳をしたことがありましたが、まさにこれって通訳の場面だけでの知識ではなく、自分の生活の中でも取り入れるべきだなぁと痛感。
今回は、飛んだり跳ねたり走ったりするような通訳(どんな通訳?)でなくて本当に良かったですが、そういう意
味では通訳の商売道具は「身体」ですかね。
通訳に限らずどんな職業でも身体は資本。日々を健康で、そして身を引き締めて2018 年も通訳人生全うしたいものです。
Cambodia Joho Service 代表/日本カンボジア通訳翻訳家
神奈川県出身。在カンボジア歴、足掛け25年。
翻訳、通訳のほかカンボジア関連のアレンジやコーディネートを手がけることも。
仕事に追われつつも、大好きなビールは絶対に欠かさない。
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