ニョニュムでおなじみのカンボジア国内企業を訪問する「オ・ト・ナの社会科見学」。今回は「アンボッ・エスパドリーユの靴製造工房」を訪問しました。
スリッポンのようなヨーロッパ生まれの「エスパドリーユ」という靴を知っているだろうか。靴底にジュート(黄麻)を使っていて蒸れにくく素足のまま履けるので、夏用の履物として好まれている。
プノンペンにあるエスパドリーユの専門店「アンボッ・エスパ ドリーユ」の工房は、おしゃれに改装されたヴィラの2階にある。作業用の部屋はそれほど広くなく材料などが所狭しと置かれているが、「エアコン付きで涼しくて快適!」とスタッフには好評のようだ。
創業者のセバスチャン・ガートゲンさんはフランス出身。カンボジアに移住して1年半ほど経った頃、カンボジア産の素材を使って何か作ってみたいと考えるようになった。セバスチャンさんは「これまでカンボジアに、品質やデザインで自分の気に入る靴がありませんでした。そんな時、友人がフランスで買ったというエスパドリーユを見て、暑いカンボジアにはぴったりだと思ったんです。それで自分で作っちゃおうと決めました」と創業のきっかけを話す。
セバスチャンさんにとってものづくりは初めての経験だったが、市場調査や商品開発などの準備に約6カ月を費やして、今年1 月から販売を開始した。まだ店舗販売をしていないにもかかわらず売り上げは順調に伸びていて、今は1カ月に平均200足ほど売れているという。インタビューの最中にお客さんが次々やってくる様子からもその人気ぶりがうかがえる。客のほとんどは観光客だというが、これからはウェブサイトなども充実させて、海外への販売も積極的に進めていくそうだ。
男性、女性、子ども、ユニセックス用のデザインで各サイズを揃えている。オリジナル商品の値段は1足20~25ドル、オ ーダー商品は30~35ドル。
エスパドリーユの特徴でもある靴底は、ジュートをロープ状に編んでいて、中国製のものを使っているそう。通気性とクッション性に優れているので暑い気候に適している。
布地はオルセイマーケットで大量に調達している。クロマーを使ったものが人気だが、ほかにもいろいろなデザインを揃えている。
作業はすべて人の手で行われる。型に合わせて布地を切ったら、内側に使う布にロゴのスタンプを押していく。
布地の外側と内側を縫い合わせる。縫製のスキルを持ったスタッフを採用しているので、今のところ特別なトレーニングはしていないそう。
型を整えながら靴底と布地を縫い合わせて、最後に商品をすみずみまでチェック。この重要な工程を担当するのは、創業当時からここで働くティダさん。工房で1カ月当たり平均約300足を生産している。
創業者のセバスチャンさん。プノンペン在住9年になるお兄さんを訪ねてカンボジアへ来るうち、この国を気に入って移住を決めたそう。工房のある建物の1階にはお兄さんの経営する会社も入居している。
<NyoNyum No.85より>
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Job Center of National Employment Agency
2019.01.23 オ・ト・ナの社会科見学~カンボジア国内企業紹介~
SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL
2019.01.23 オ・ト・ナの社会科見学~カンボジア国内企業紹介~
Cambodian-Japan Cooperation Center (CJCC)
2019.01.23 オ・ト・ナの社会科見学~カンボジア国内企業紹介~
SANYO PACKAGE ASIA (CAMBODIA) CO., LTD.
2018.12.17 オ・ト・ナの社会科見学~カンボジア国内企業紹介~
NyoNyum127号特集①:ニョニュム発行人・山崎幸恵が語る「ニョニュムの生い立ち」
2023.11.28 NyoNyumフリーペーパー出版特集記事
カンボジアで最もモダンで最大級のマツダ自動車ショールーム 正式オープニングセレモニー開催
2023.11.08 イベントニュースビジネス
アンコール見聞録 #38 遺跡を上から見る
2023.09.12 アンコール見聞録シェムリアップ文化
カンボジア生活情報誌「NyoNyum126号」発行のお知らせ!
2023.08.31 NyoNyum