人は食うために働く。カンボジア人のそんな姿を切り取るニョニョムでおなじみのコーナー「カーロッシー(食いぶち探し)」。今回はプノンペンで日本製中古バイク販売をしているライホットさんを取材してきました。
カーロッシーとは?
生活情報誌NyoNyumで長年人気を誇るコーナー「カーロッシー」。
人は何のために働くのか。
カンボジアの人々の答えは明快、「食うため」。
彼らは、働くことを「カーロッシー(食いぶち探し)」と呼ぶ。
汗と涙を流しながらも、日々淡々と行われるその営みを紹介する。
日本製は信頼と高品質の代名詞
日本とカンボジアを股にかける男、ティン・ライホットさん(34)。
中古バイクを日本から仕入れてカンボジアで販売する事業を行っている。
「日本の良いものをカンボジアの人たちに届けたい」
日本で出会い2015 年に結婚した妻と1 歳になる娘と暮らす拠点を日本に置きながら、頻繁にカンボジアへ行き来し事業に取り組んでいる。
コンポンチャム州出身のライホットさんは、2006 年にプノンペンの大学を卒業後、IT 関連の企業やホテルに勤めた。
そこから一念発起して2008 年に日本へ留学。
語学学校を経て大学に進んでITを学び、2015 年に修士を修めて卒業した。
そのまま日本に残ってIT 企業に就職し働いていた頃、友人に誘われ、日本の電化製品や機械を中国や東南アジアなど海外に輸出する事業に関わることに。
これがきっかけとなって起業を思い立つ。
2016 年11 月に日本で会社を起こし、日本からカンボジアへ、中古バイクの輸出を開始した。
質の良い日本製のバイクをカンボジアの人たちに届ける
日本での起業後は、カンボジアのバイク店へ中古バイクを卸しながらカンボジアでの会社設立の準備を進め、昨年5 月、プノンペンのセンソック地区に自社店舗をオープン。
直接消費者に販売することが可能になった。
店では現在、月に300 台から400 台ほどを販売しているという。
開店当初はよくて1 日に数台、1 台も売れない日もあるなどかなり厳しい状況だったが、最近ようやく軌道に乗ってきたという。
しかし事業はまだまだ動き出したばかり。
現地の競合店と向き合うことが今の課題だ。
カンボジア人にとって日本製品に対する信頼度は高く需要もある。
「その信頼に応え、質の良い日本製のバイクをカンボジアの人たちに届けること」がライホットさんのモットー。
信頼を自店の強みとして顧客を増やし、ビジネスを拡大したいと考えている。
そのためにはまず「成功を考えるより、日々直面する問題を整理し、解決していくことが何より重要」だという。
商売にリスクはつきものだが、輸入中古バイクの販売にはまず買い付けに大金がかかり、売れなければ利益は得られない。
また問題が生じて商品がカンボジアに届かず、大損したこともあったそうだ。
だからこそ、日本での買い付けから輸出、輸入を経て消費者へ販売するまでのすべてを、しっかり計画を立てて準備し、常に状況を見てよく考え、動くように心がけている。
「失敗は成功のもと」と信じ、「元気な限り、生涯現役で取り組んでやり遂げたい」と語るライホットさん。
日本で習得したI T の技術と経験を生かし、今後はインターネットを使ったオンライン販売の展開も考えているそうだ。
店舗情報
ライホットさんの店
ARIGATO CAMBODIA
Tel: 011-260-226, 098-260-226
取材: UON Chanra, NOP Visal
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