現在、日本は来年行われる東京オリンピックのチケットの当選発表などが話題を集めていますが、オリンピックとともに第16回東京パラリンピックも行なわれるのはご存じでしょうか。どうしても東京オリンピックに注目が集まりがちですが、パラリンピックは1960年から続いている障がい者スポーツの世界No.1を決める大会です。16回目となる東京パラリンピックでは全22競技に過去最大級の約4400人もの選手の参加が予想され、8月25日から9月6日までの12日間行われる予定です。
6/10に発行したカンボジア生活情報誌NyoNyum101号からいくつか新しいコラムの連載を開始しましたが、その中から今回はカンボジアで長年、障がい者スポーツ(パラスポーツ)の普及活動を行なっている団体、ハート・オブ・ゴールドの米山遥香さんの記事をWEBでも紹介したいと思います♪
パラスポーツとは
障がい者スポーツの世界大会として、1960年のローマオリンピックから行われていたが、「パラリンピック」という正式名称が使われ始めたのは1988年のソウルオリンピックから。日本は1964年の東京大会から、カンボジアは2000年のシドニー大会から参加している。最近、障がい者スポーツのことを”パラスポーツ”という名称で呼ばれることが多く、最近では日本国内でも様々なパラスポーツの大会が行われることが多い。
その中でも特に視覚障がい者によるブラインドサッカーは陸上競技とともに人気で日本各地にクラブチームができて大会が行われるなど普及しており、2014年に東京で行われたIBSA ブラインドサッカー世界選手権では初の有料試合ながら開幕戦と決勝戦は満員(1300席)でチケットが完売となるなど来年のパラリンピックでも人気種目のひとつになることが予想される。
ハート・オブ・ゴールドとは
1996年12月に開催されたアンコールワット国際ハーフマラソンに関わった人々により、「スポーツを通じて国境、人種、ハンディキャップを超えて希望と勇気の共有を実現」することを目指し、1998年 10月10日にNGOとして発足。2001年3月には岡山県よりNPO法人認定を、2012年には岡山市から認定 NPO法人となり現在に至る。
被災地や紛争地および開発途上国の子どもた達、障害者、貧困者層の人々に対して、スポーツや教育、そのほかの活動を通じて自立につながる事業を行い、苦境 に立ち向かう人々や子ども達が人生にchallengeするための「希望と勇気」を持つことができる機会創造に寄与することを目的としている。
特に、途上国の人々が自分たちの抱える問題を自らの力で解決していけることを目指し、彼らの視点に立って、彼らとともに人材育成に力を注いでいく。 ※HEARTS of GOLD公式WEBサイトより
カンボジアでパラスポーツ支援を始めたきっかけ
初めまして。認定特定非営利活動法人ハート・オブ・ゴールド(以下、HG)の米山遥香と申します。今回よりカンボジアのパラスポーツについて連載を掲載させていただくことになりました。あまりなじみがないかもしれませんが、TOKYO 2020 に向けて日本が盛り上がっている昨今、カンボジアのパラスポーツについて少しでも皆様に知ってもらえたら嬉しいと思っています。
HG は、1996 年シェムリアップで開催された第1 回アンコールワット国際ハーフマラソン(以下、AWHM)にHG 代表理事である元オリンピックメダリストの有森裕子が招待選手として参加したことがきっかけとなり、1998 年に設立されました。その後2012 年までAWHM 運営支援を行い、2013 年からはカンボジアオリンピック委員会に運営を移譲しました。AWHM は地雷被害者の支援活動として参加費を義手・義足作製支援のために寄付する等カンボジアの障がい者のためのチャリティーマラソン大会として開催してきました。運営を移譲した後もHG は障がい者スポーツ支援事業を継続的に行っています。
障がい者がAWHM に参加するためのマラソントレーニングを開催したり、日本のマラソン大会への招聘を行ったりしてきました。現在ではパラリンピック選手として海外の大会に参加する選手が増えてきたのですが、カンボジア国内での大会がなかったので、カンボジアパラリンピック委員会と協力し、3 年前からカンボジアパラ陸上競技会の開催、日本の専門家を招聘してトレーニングワークショップを行う等、主にカンボジアパラ陸上の支援を中心に活動しています。今後はまだまだ少ないパラスポーツ人口を増やしていき、東京パラリンピックへの出場、ASEAN Para Games(東南アジア大会)等国際大会で多くのメダルを獲得できるよう、カンボジアパラスポーツの発展に寄与できる活動をしていきます。
筆者: 米山遥香
カンボジア在住5 年目の26 歳。大学時代、健康スポーツについて学ぶ傍ら、カンボジアを支援する学生団体でボランティア活動を行い「将来カンボジアでスポーツ開発に関わる仕事がしたい」と思っていたところ、NPO ハート・オブ・ゴールドに出会う。卒業後にカンボジアへ渡り、同団体で2 年間インターンとして活動し、3 年目から職員に。
<HEARTS of GOLD情報>
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