ニョニュムでおなじみのカンボジア国内企業を訪問する「オ・ト・ナの社会科見学」。
今回はカンボジア人の生活に馴染みがあり観光客のお土産物としても人気なシルクを使った商品を製作、販売するクロマークローズショップの様子について紹介します。

「クロマークローズショップ」

プノンペンにある「クロマークローズショップ」は、1991年に開設した印刷・木工・縫製の3分野からなる職業訓練センター「日本カンボジア友好技術訓練センター」に併設する服飾店。縫製分野で学ぶ生徒の実践の場、かつ収益を生み出す場として1996年にオープンした。同センターはかつて日本のODAや日系NGOなどの支援を受けていたが、現在は独自体制で運営しており、ショップの売り上げの一部で運営資金を補っているそうだ。縫製分野では3カ月コースの縫製教室を無料で開き、広く一般の受講生を受け入れて、パターンの引き方やミシンの使い方など実践的な技術を教えている。修了後は学んだ技術を生かして家族の洋服作りに役立てたり、ビジネスを始める人もいれば、そのままセンターに残って働く人もいるそうだ。

ショップではカンボジアシルクを使ったものを中心に、服や小物などセンターで製作したオリジナル商品を販売するとともに、開店当初よりオーダーメイドも受け付けている。洋服やバッグなど多岐にわたってオーダー可能で、好みのデザインやサイズに合わせ、思い通りの一品に仕上げてくれる。ショップ運営の中心人物は、長年この訓練センターに関わるベテラン揃い。これまで個人の注文だけでなく、国内の高級アパレルブランドの商品の縫製も多数請け負ってきており、豊富な経験で培われた確かな腕前に定評がある。あまり大々的に宣伝してはいないが、プノンペン在住者なら知る人ぞ知る腕のいい仕立屋さんといった印象だ。アットホームな雰囲気のこの場所で、プロの縫い手さんの温かみを感じられるオーダーメイドを試してみてはいかがだろうか。

オーダーメイドの洋服を作っている様子。パーツごとにサイズを測り、丁寧に仕立てる。縫製代はシャツやズボンで1着20ドルくらいから（布代は別。料金や仕上がり時期はデザインやサイズなどによって変わるので要相談）。ショップにある生地を購入してオーダーするほか、持ち込みの生地で作ってもらうこともできる。

モニボン通りを毛沢東通りと交わる交差点からしばらく南下すると、通り沿い左手、ボントラバエク高校の南隣にこの看板が見える。外壁にはセンターの名前が書かれている。

訓練センター敷地内のこの建物に、縫製分野の作業室、教室、ショップ、オフィスがすべて入っている。
ショップはG 階の左手奥。

縫製教室では実践的な内容を教えている。センターの卒業生が講師を務め、パターンを引いたり、布を裁断したり、ミシンの使い方を教えたりと、受講生が修了後に自分だけの手で作れるよう細かく指導している。

店内にはシルクのドレスやバッグといったよそ行きのものから、普段使いのシャツやクッションなどの小物まで魅力的な商品が並ぶ。カンボジアシルクやクロマーを使ったものが多く、お土産にもピッタリ。ショップで仕入れた生地の購入も可能。

<NyoNyum No.92より>

クロマークローズショップ
Kroma Clothes Shop
Add: No.470, Monivong Blvd., Boeung Trobaek, Phnom Penh
(next to Boeung Trobaek High School)
Tel: 012-723-070, 012-423-052
Open: 7:30-11:30, 13:30-17:00 (Sunday closed)
*Cash only (Credit card NOT available)

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