ニョニュムでおなじみのカンボジア国内企業を訪問する「オ・ト・ナの社会科見学」。
今回はカンボジアでは輸入することが多い牛乳を国内で生産・加工まで手がける「モーモーファームズ(牧場)」を訪問しました。
第28回「モーモーファームズ(牧場)」
カンボジアで牛乳というと、タイなどの近隣諸国から輸入された常温でも長期間もつロングライフ牛乳が一般的だ。ところが最近、メードインカンボジアの生乳から作られた牛乳をスーパーでよく見かけるようになった。
モーモーファームズは、プノンペン郊外のチュバーオンパウ地区にある生乳の生産から加工までを行う牧場だ。オーナーはアメリカ人のフロイド・ケニス・マシューズさんで、11頭の乳牛をもとに2015年10月から牧場経営を始めた。もともとフロイドさんはキリスト教の布教活動のためにカンボジアにやってきたが、次第にカンボジアの若者には手に職をつけて働ける場が必要だと考えるようになった。親戚がアメリカで乳牛を育てていることもヒントになり、4年以上の構想期間を経て牧場をつくり上げた。
新鮮で安全な牛乳を提供するために、成分無調整でアメリカと同じ製造方法を採用。今ではその品質が評価され、ラッキースーパーやナチュラルガーデンなどプノンペンにある主要スーパーに置いてもらえるようになった。しかし、カンボジアは電気料金が高いうえに飼料の国内調達が難しいことからコストがかかり、輸入品と比べるとどうしても割高になってしまうことが悩みの種だという。
現在牧場で働くカンボジア人は15名。解決すべき問題はまだあるが、人材育成の場としてさらに大きくしていきたいそうだ。
現在、ホルスタインの乳牛が26頭、子牛が11頭いる。近くさらに10頭ほど増やす予定。
日曜を除く毎日、朝6時から作業を開始する。搾乳に使う道具を熱湯消毒し、さらに牛の乳頭も殺菌剤で消毒。おいしくて安全な牛乳を作るため、衛生面には細心の注意を払っている。
搾乳は朝6時と夕方5時の1日2回。1頭あたり1日10~20リットルの乳を出し、1日の搾乳でこの牧場全体では270リットルくらいになる。
搾乳した生乳は750リットルの冷蔵タンクに集められて5~8度の温度で保存し、鮮度を保つ。
牛乳の殺菌処理を行う。アメリカで主流の低温殺菌法で、これだと生乳の風味を変えずに仕上げることができる。
できあがった牛乳をボトルに詰める。1リットルと2リットルの2種類があり、賞味期限は1週間。価格は1リットルが2.5ドル、2リットルが4.5ドル。朝6時の作業開始からここまで約6時間かかる。
1日4~5回に分けて牛に餌を与える。乾燥させた草と、サトウキビ、大豆、大麦のかす、塩を混ぜて飼料を作っている。
<NyoNyum No.88より>
MOO MOO FARMS
Tel : 096-824-1674 / 086-812-682
Add : Phum Champu Ka Ek, Sangkat Prek Thmey, Khan Chbar Ampov, Phnom Penh
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