日本では来年開催される東京オリンピックが近づくにつれて、試合日程やチケットの話題で盛り上がっている。
その東京オリンピック出場を世界各地で目指している選手たちがたくさんいる。
カンボジアでは元競泳選手の生山咲さんが今年9月まで水泳カンボジア代表のヘッドコーチを務め、選手たちの指導にあたっていた。
連載最終回の今回は2016年にJICAの隊員としてカンボジアにやって来て3年、カンボジアの水泳界発展のために彼女が日々全力で選手たちと向き合ってきた集大成となった大会の様子を紹介します。
前回の奮闘記はこちら
カンボジア史上初の国際大会開催!
2019 年6 月28日から30 日まで、第43回SEA Age Group Swimming Championshipsという、東南アジアの18 歳以下の選手対象の国際大会がカンボジアで開催されました。
カンボジアで初めてとなる国際大会の開催ということで、この1 年間、コーチも選手も運営スタッフも、この大会のためにチーム一丸となってやってきました。
目指すものは目に見える結果、『メダルの獲得』だけでした。
結果、その目標の足元にも及ばず終わってしまいました。
この環境下でこれ以上ないと思えるプログラムを組んでやってきたので後悔はありませんが、ここまでやってきてこの結果か…と、立ちはだかる高すぎる壁に正直心折れそうです。
だけど、200mで15 秒、100mで8 秒自己ベスト更新などといった、今までとは次元の変わるような記録更新を含め、ベスト更新率77% という大きく成長した姿を選手たちは見せてくれました。
最後まで諦めずに応援
3 年前、たった4人でタイの国際大会に行って、他国の選手たちに怖気付いていたチームが、大規模な大会の開催国になり、スタンドでどこのチームにも負けないくらい大きな声で、たとえ100m の差をつけられてもタッチの瞬間まで全力で仲間を応援し続ける姿は、私の心に強く響きました。
ずっと、こんなチームを作りたかった。
ずっとずっと、みんなのこういう姿が見たかった。
このチーム力があれば、何かミラクルを起こせる気がする。
また新たな可能性を見つけることが出来ました。
一つのチームとして、みんなで同じ目標に向かって歩んできたこの1 年の軌跡を、誇りに思います。
まだまだ未熟で弱いチームだけど、高く大きく手を伸ばしていれば、いつか必ず届く。
みんなが抱くその夢にはそれだけ大きな可能性がある!
諦めない夢は、終わらない。
また一から頑張ろう!
応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!
前カンボジア代表ヘッドコーチ
1992 年生まれ。母の影響でベビースイミングから水泳を始め、大学卒業まで22 年間競技生活を
続ける。東海大学水泳部では女子主将を務め、2014 年9 月の日本学生選手権をもって現役引退。
2015 年3 月に東海大学教養学部国際学科を卒業後、平成27 年度3 次隊でJICA 青年海外協力隊の水泳隊員としてカンボジアへ渡り、2 年間ナショナルチーム及びユースチームの選手を指導。
任期満了後に再びカンボジアへ戻り、今年9月まで代表チームのヘッドコーチを務めた。ブログ:http://saki.ikuyama.net/
<編集部より>
生山さんのカンボジア代表コーチ退任に伴い、このコラムは今回が最終回となります。生山さんお疲れ様でした。読者の皆様も短い間でしたがご愛読ありがとうございました。NyoNyumでは今後の生山さんとカンボジア水泳代表のご活躍を願っております。
<過去の記事一覧>
「いつか世界を変える力になる 第3部」に出演
BSフジで放送されている俳優 斎藤工さんが世界中のJICA協力隊員を訪れ、彼らの「今」を追う番組「いつか世界を変える力になる」。3月17日に放送された第三部に青年海外協力隊OGで現在、カンボジア水泳代表のヘッドコーチを務める生山咲さんが出演しました。
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