人は食うために働く。カンボジア人のそんな姿を切り取るニョニョムでおなじみのコーナー
「カーロッシー(食いぶち探し)」。
今回はプノンペンの人気スポット、ダイアモンドアイランドで奮闘するポンルーさんを取材。
カンボジア人に将来の夢を聞くと、自分で商売をしたいと答える人が多い。収入格差が大きいカンボジアでは、自ら商売を興して成功することがカンボジアンドリームを叶える近道のようだ。そしてここにも、その夢を追って走り出した人物がいる。
ペット・ポンルーさんは、若干25 歳にしてプノンペンのダイアモンドアイランドにあるカンボジア料理店のオーナーだ。今年6 月にオープンしたばかりのこの店は、オープンエアーで川に面しているので、心地いい風を感じながら食事を楽しむことができる。

ポンルーさんは、普段はダイアモンドアイランドの運営会社で働くサラリーマン。催事場の予約受付、イベントの準備、新規客開拓のためのマーケティングなどを行っている。毎週末のようにイベントが行われ、デートスポットとして若者がたくさん集まるダイアモンドアイランドの環境の良さを、ここで働くポンルーさんはひしひしと感じていた。「給料以外にも収入を得たい。それにはいつかここで何か商売ができれば」。そう思っていたポンルーさんにある情報が飛び込んできた。ダイアモンドアイランドの川沿いに立地するレストランが閉店し、店を売り出すことになったという。起業願望が募っていたポンルーさんは、迷わず買い取ることを決めた。
料理が得意だったとはいえ、自分の店を持つというのは初めての経験のポンルーさん。まずは一から店作りを勉強した。日中はサラリーマン、夜は店の仕事という生活に慣れるのも大変だったそうだ。好立地のこの場所には周りにライバル店も多く、どのように差別化していくかも考えなければならなかった。腕のいい料理人を雇い、新鮮な食材でおいしい料理を提供すること、“お客様第一”の接客ができるよう従業員教育をすること。レストランの基本ともいえるかもしれないが、まずはこの2 つを徹底することにした。

がむしゃらにやってきて約1 カ月。「まだ、儲かるというところまではきていません。店を回すので必死です。でも、毎日充実しています」。忙しくも、自分の理想の店にするべく試行錯誤するのが楽しいそうだ。いつかは店を軌道に乗せて、2 号店を出したい。次の夢も見据えて走り続けるポンルーさんの挑戦は続く。

カーロッシーとは…
カーは動詞を名詞化
ロッは「探す」
シーは「食う」
<NyoNyum No.90より>
取材: UON Chanra
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