2012 年10 月10 日。『ニョニュム』が産声を上げてからまる9 年となった。カンボジアの笑顔と、その笑顔が生まれる背景を伝える、そんな使命を背負って『ニョニュム』は生まれた。誕生してからのカンボジアは目まぐるしい変化をし、その様子を『ニョニュム』は目を離さず見つめ、そして伝え続けてきた。
『ニョニュム』というこの雑誌を作った理由を、私は最近あちこちで話すようにしている。通訳をやっていていろんなカンボジアの現状を見て、聞いて、感じているのに、それを広く伝える術がない。一方で、日本のメディアで伝えられるカンボジアの情報は偏っている。もっともっと伝えたいことがあるのに。そんな思いから、この雑誌を作ってそれを吐き出したいと思ったのだ。
一方で、カンボジアにビジネスをしに来たり、カンボジアで生活をする日本人がどんどん増えると感じた時に、カンボジアの「生活、文化、考え方」をもっともっと知ってもらいたい。そうすることで、起こりうる文化摩擦を少なからず抑え、日本人のカンボジアに対する理解を促すことができるのでは。だからこそ、ニョニュムはカンボジアの文化、歴史、経済、社会をあらゆる角度から伝える「生活情報誌」とした。
そして、この「伝える」という行為をカンボジア人のスタッフが繰り返して行うことで、カンボジア人が自分の国を見つめなおすきっかけになるのでは。自分の国を見て、素晴らしい文化や生活があることを知り、それを誇りに思える。はたまた悲しい歴史や難しい社会問題を認知することで、今の自分を、母国を、そして将来の自分たちを考えることになる。
そんな思いを持って、『ニョニュム』はこの9 年間いろんな人に支えられ、成長してきた。その恩返しは、『ニョニュム』がカンボジアの情報発信源としてさらに成長することで果たしていけたらと思う。皆様の応援に心から感謝します。
2012.10-11月号(第61号)掲載
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