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ボンユキサーキット

9 月から11 月にかけて、2 ヶ月半にわたってカンボジアを不在にしていたボンユキ。
日本でカンボジア人に各種分野の研修が行われ、その通訳、生活サポートの仕事をしておりました。連続で3 つの研修をこなしたわけですが、3 本目の研修は技術研修。それも分野は電気回路、インバーターといったボンユキの辞書にあまり載っていない分野の通訳。一体どうなることやらとハラハラしながらの研修と相成りました。
前半の授業は制御盤の組立ということで、「赤い線は◯番目の端子に、青い線は◯番目に…」といった感じで簡単な単語だったし、実習が多かったので比較的楽でしたが、後半はインバーターでモーターを制御するための回路がどうの…と、まったくもってちんぷんかんぷん。どうにか研修を終えて帰ってきたものの、1 ヶ月にわたるこの研修、超文系体質のボンユキにはちと酷でした(苦笑)。
通訳は、自分の中でその意味を理解してもう一方の言語でそれを発し、相手に伝えることが求められるのだけど、「パワーエレクトロニクス」という分野の座学になった時には、本気で意味がわからないのでこれは私がマシーンになるのが一番! と判断し、とにかく講師が言った言葉をクメール語に置き換えるという「作業」に徹してみることに。だんだんやっていると、これが一番的確な授業になることがわかり、主回路、制御回路、リレー、端子、直流、交流…と、ほんとに覚えたばかりの「単語」を淡々と通訳するのですが、夕方になる頃にはすっかり神経が擦り切れてクタクタになるのです。

ある日、研修が終わってほんとに回路がショートした状態になった私は、帰りの電車で研修員に相談をしてみた。「この研修を私が上手く通訳するには、人工知能に電気分野の知識をインプットして、私の脳にそれを取り付けて、回路でつないでモーターを動かし、ショートしないように通訳している時はフル回転、しない時は省エネ回転をインバーターで制御するのが一番いいんじゃないかしらって思うんだけどどう思う? みんなで回路図を書いて明日からこれを実習してみない?」

研修員も「それはいい! きっと実現可能かもね」って話に乗ってきた。
「私本気でこの分野には全く興味ないし、システムを作るエンジニアになる気はないけど、そういうシステムをこんなふうに応用したら社会で使えるんじゃないかって考えるのが好きなのよ~」と盛り上がる。
もしこれが成功すれば、ノーベルなんとか賞とかとれるレベルじゃないかと思うんですがどうなんでしょう。
名付けて「ボンユキサーキット(インバーター制御付き)」。
これ、売れるんじゃないかしら。
もちろん買うのは私です。

2016.12-2017.1月号(第86号)掲載

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