クメールの民間治療のあれこれ!
クメールの民間治療のあれこれ!
2024.03.22

長く続いていた内戦で近代の治療技術や治療制度が遅れ、伝統治療に依存してきたカンボジア。今も昔も変わりなくやってきた伝統治療法もあれば、なくなった伝統治療法もある。クメールの伝統と関わった治療法だから、それを聞いたら、びっくりするほどの治療法もあるだろう。言われてきたクメールの伝統治療法のあれこれをご紹介したい。

コークチョールによる伝統治療法とは?

カンボジアに来て生活している日本人の中には、背中や胸に赤いあざのようなものが付いているクメール人を見たことがある人もいるのではないだろうか。これは、クメール人の伝統治療の一つであるコークチョールの跡。背中や胸をコインのようなもので赤くなるまで何回もこすって、軽い目まいや頭痛、下痢、体がだるいなどの症状を治すクメールの伝統治療方法だ。

クメール人なら誰でもこの伝統治療法を体験しているといっても過言ではない。さて、コークチョールをよくやっているという一人のクメール人を紹介したい。

コークチョールをやったある青年の背中の様子

ダェク・シィアさん(61)はプレイヴェイン州に住んでいる。約10年前から胃腸の病気を抱えているが、西洋の薬品を利用していてもよくならないという。また、年も取り、体力も弱っているため、体調不良にもよく陥る。今までにいろいろな西洋の薬品を試したが結局よくならず、今では体調が良くない時はコクヨ―ルをしているという。「手足の関節痛や下痢、便秘などお腹の具合が悪い時、体が冷えたり食欲不良の時、目まいや頭痛などの時はコークチョールをしてもらいます。コークチョール中毒と思われるほど、週に2,3回やってもらう時もありますよ」。コークチョールを薬品の代わりとして自分の病を治療するのが習慣になっているというシィアさん。コークチョールをやることにより薬代も節約できるという効果もあるが、いまやコークチョールをやらないとそういった病気の症状が治らないという。

(注意事項:瘦せ細った人や、太りすぎた人、妊娠の女性、高血圧や重病を持つ人、肌に敏感な人や子供、体が弱い老人などはコークチョールは勧められないので要注意!)

人々の間で伝えられる謎の治療?!

クメールの人々の間では、謎の治療が古くからおこなわれている。このような治療法は近代の治療の常識は考えられないことが多いが、昔ながらの言われを深く信じる田舎の人々もまだ存在しているのではないだろうか。今の西洋の治療技術では考えられないクメールの治療方法、すなわち言い伝えに謎の治療方法をいくつかご紹介したい。(要注意:以下に取り上げた信仰による伝統治療法は医学的な根拠がないため、参考にしないこと!)

1.下痢を治すには:息を留めてグアバの初芽を7つ揉み取って、お湯を沸かして飲むと、下痢が治るという言われがある。

2.目の病気、白内障を持つ場合:逆生児の子供の手で水を回してもらい、その水を飲むと白内障が治ると言われている。

3.犬に嚙まれた場合は飼い主が噛んだ残りご飯で傷を埋める・塗るとケガが治る:古代、誰かが犬に噛まれて怪我をした場合、噛まれた犬の飼い主は被害者の傷口に自分が噛んだ残りご飯を当てあげなければならなかった。それは、犬の飼い主が傷口に噛んだご飯を塗ることに効果があり、早く治ると言われているからだ。昔は今のように狂犬病などのワクチンは勿論、西洋の薬がなかったため、人々はこのような治療法で対応していたという。

4.蕁麻疹の治療法:アレルギー反応によって引き起こされる腫れ、かゆみ、赤みを引き起こす病症。カンボジアの一部の地域では体に蕁麻疹が発疹したら、わらと砕いたタバコの薬、赤いマットの切れで火を起こし、その煙で蕁麻疹を治すという。

5.サソリやスコーピオンなどに刺された場合:たいてい、サソリやスコーピオンなど刺されたら、刺された毒により痺れを感じたり肌が腫れたりする。体が弱い人の場合は発熱して深刻な状態に陥ることがある。このような場合は、ニンニクを鶏の唾と混ぜて刺されたところに塗ると症状が軽減され治るといわれている。

 

 

 

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