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Moi Moi ライフ #1 マンゴーの季節

NyoNyum Magazine にて連載しているスローライフエッセイ「Moi Moi ライフ」
(「Moi Moi」とは、クメール語で「ひとつひとつ、ゆっくりと」の意味)

シェムリァップで暮らす小出陽子さん。自身が運営するカフェレストラン「Cafe Moi Moi」での発見や、NGO「アンコール人材養成支援機構:JST」の活動、JSTがサポートしている「バイヨン中学高等学校」の近況、そして普段の暮らしで感じたいろいろなことを綴ります。

今回は、美味しいマンゴーとユニークな創作料理について。

クメール正月も終わる頃、カンボジアの太陽の恵みをいっぱいに受けた旬のマンゴーの季節が始まります。

シェムリァップ郊外にあるMoi Moi 農園で採れるマンゴーは、カンボジアマンゴーの王様ともいわれる、甘味の強い “スヴァーイ・クティッヒ” という種類。

まったりとコクのある甘さ、濃厚な味と香りは、世界中のどんなマンゴーをも寄せ付けないほどのおいしさ、そして存在感があります。

外見的特徴は “へた” の大きさとふっくらとしたマンゴーの形、そして掌にとってみたときのずっしりとした重量感。果実は少しクリーム色がかった黄色で、つやはなく、濃厚な甘味が粉のような食感と共に長く残るのが特徴です。

一度この味を知ってしまったら、他の種類や季節はずれのマンゴーでは、物足りなく感じることでしょう。カンボジアに住み始めて 12 年、私も、マンゴーの果実をいちべつするだけで、自分の好みのマンゴーかそうでないか、すっかり見分けられるようになりました。

そして、このマンゴー、カンボジアの家庭では、料理の食材としても使われてきました。市場で売られている干し魚と一緒に、ご飯のおかずとしていただくのです。

干し魚は簡単に油通しするだけ、マンゴーは食べやすい大きさに切るだけでできるので、4 月、5月の、料理をつくる気が失せてしまうほどの猛暑の季節には、家庭の主婦にとって、簡単にできるありがたい料理となっているようです。

塩漬けして旨み成分がぎゅっとつまった干し魚とマンゴーの甘い汁が溶け合い、口の中でふわっと広がったときの味は、えも言えぬおいしさ !ご飯もすすみます。

Cafe Moi Moi では、この “干し魚とマンゴー” を気軽に味わっていただきたいと、干し魚をあらかじめほぐし、山盛りのマンゴーに振りかけた料理としてお出ししています。

日本にはないユニークな料理なので、カンボジア料理の中で一番おいしく印象的だった、という感想もたくさんいただいています。

そして、この “干し魚とマンゴー” をさらにバージョンアップさせ、季節限定のメニューも考案してみました。名付けて、“干し魚とマンゴーのり巻き”!!

手巻き寿司のように、のりでご飯と “スヴァーイ・クティッヒ” と干し魚を巻いただけのものですが、のりとの相性は抜群。さらにおいしさが増すことがわかりました。

旬の “スヴァーイ・クティッヒ” を味わえる時期は、4月中旬から5月中旬。この季節、ぜひ味わってみてください!

(この記事は2012年4月に発行されたNyoNuym58号に掲載されたものを再掲しています。文中の情報は当時の情報です。)

コラムニスト: 小出 陽子(こいで・ようこ)

一級建築士 ・ レストランオーナー
2000 年、UNESCO/JSA 遺跡修復オフィス建設のためカンボジアに赴任。2005 年シェムリァップにレストランカフェ「Cafe Moi Moi」 をオープンする。同年 JST(NGO;アンコール人材養成支援機構)を設立に携わり農村地域の支援活動を始める。現在は、バイヨン中学校、高校の運営も行っている。
JSTホームページ Cafe Moi Moi 紹介記事

 

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