現在、カンボジア国内で配布中のカンボジア生活情報誌NyoNyum125号の特集のWeb版です。
「工場で働くということ~プノンペン周辺工場労働者の職と生活の現状あれこれ~」
縫製業やアパレル業などで約90万人の労働者の仕事を生み出すカンボジア。全国1326の縫製工場のうち、727の工場がプノンペンにあり、約34万人の労働者が従事しています。
そんな首都プノンペン郊外の、特にチャオムチャウ町 (プノンペン国際空港の西南部エリア)には工場エリアが広がっています。若い労働者向けの借家や団地もあり、縫製業などに従事する工場労働者が生活しています。そのため、この地区にある工場周辺には日常生活に欠かせない品々や飲食店などがすらりと並び、いつも人々でにぎわっています。
主に地方から集まってくる労働者たちは、この環境でどんな生活を営んでいるのでしょうか。その実態の一角をご紹介します
工場周辺を歩いてみよう!

プノンペンの郊外地域には工場エリアが広がっており、ストゥンミェンチェイ地区やポーサェンチェイ地区、ダンカオ地区は工場が密集するエリアとして知られています。特に、チャオムチャウ町のヴェンスレーン通り沿いは、90年代初頭から進出ラッシュが始まったアパレル・縫製業の工場がたくさん集まり、労働者や輸送トラックでごった返している場所としても有名です。


人が集まるところにビジネスチャンスあり

工場には、その規模により毎日数百人から数千人の従業員が出勤する。そんな工場の出入り口付近には、従業員の出勤、休憩、退勤の時間を狙ってさまざまなものを売る人々、買い物をする人々の様子が見られる。
朝、工場の門が開く前の6時頃や休憩中、ランチタイムにかけては、ビニールの袋やプラスチック容器に入れられたご飯とおかずを売る屋台が並び、午後の4時頃からの退勤時間には帰宅して自炊する人のための新鮮な魚や肉、野菜、調味料などの露店に移り変わる。
時間によって販売する品々が様変わりするこのような売り場は、日本で滅多に見られない風景だろう。また、付近にはTシャツやカバンなどの日用品の店も転々と並んでいる。


工員の人たちはどんなところに住んでいるの?

工場は都心の中心から離れたところにある。ヴェンスレーン通り沿いには大きな工場が密集しており、低・中所得者層の住宅、日用品店や露店・屋台も集まっている。
午後になると、フライドチキン、ポーンティアコーン(孵化前のアヒルのゆで卵)、サンドイッチ、フルーツシェイクなどの屋台や、ビールのおつまみ、アヒルの丸焼きや豚・牛肉のバーベキュー、魚の塩焼きなどの屋台もずらりと並ぶ。1日働いて疲れた工員にとっては、帰宅前に買い物ができる屋台の存在はありがたい。また、通り沿いにはクリニックや衣料品店、バイク店、民間の各種学校などもある。





ヴェンスレーン通りからさらに小さな路地を奥に入ると、工員の住宅地が広がっている。美容室や小さな薬局もある。日常生活に必要なものが揃うこの地域なら、日々の生活に困らなさそうだ。
そう思いながらさらに奥に進んでいくと、工員向けの賃貸アパートが並ぶ。家賃の相場は1部屋1ヶ月50~60ドルほど。田舎からやってきてルームシェアをする若い労働者、家族連れなどが入居している。



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