「家族を養うためにこの路上のコオロギと昆虫の販売を頑張り続けたい!」
「家族を養うためにこの路上のコオロギと昆虫の販売を頑張り続けたい!」
2024.03.29

10年ほど前までは、油揚げコオロギは“微妙なスナック”として路上で販売されていた。しかし2010年ごろから、油揚げのコオロギ、くも、昆虫、小エビ、小カエルや小魚が、市民のスナックとしてよく食べられるようになってきたという。これらの食材はカンボジア国内でたくさん獲れ、油揚げにすると香ばしく、カリカリの感触が好まれているのだ。この油揚げのコオロギや昆虫などの路上商売を営むフォン・ヴォターさん(28)に話をいろいろ聞いてみた。

はたから見ていると、簡単な試作と準備をするだけでお金が簡単に稼げると思われるこの油揚げのコオロギや昆虫の路上商売。プレイヴェーン州出身のヴォターさんは、この商売を始めて約10年経過した。この商売を始めたきっかけについて次のように語ってくれた。「親が村でこのコオロギやくもなどの油揚げの商売をやっていたので、子供の時からこの商売をみて育ってきました。大人になって他の商売をするにも専門性がなく、いつの間にかこの商売をやるようになりました」。現在までこの商売を続ける一つの理由としては、この商売が家庭を養うための収入源だからだという。「得られる収入は一日約20万~30万リエル(50~75ドル)で、月収としては、約600万~800万リエル(1500~2000ドル)程度です。」

ニョニュムスタッフのインタビューに応じて、ヴォターさんが美味しい油揚げのコオロギと昆虫を仕上げるためのコツを教えてくれた。「毎朝仕入れた新鮮なコオロギやその他の昆虫をきれいに洗い、お湯に短時間入れた後、水を切っておきます。そのあとは、食用油で揚げる前に、ニンニクの葉や砂糖、塩、味の素、魚醤とコンソメなどの調味料をかけて30分ほど味付けしておきます。高熱の油で揚げるのと、仕上げ直前にコブレモンの葉とレモングラス、ガランガ、赤ニンニクなどのスパイスを入れるのがコツです。最初の下準備から仕上げるまでは約3~4時間かかります」。毎朝、ヴォターさんは業者からコオロギや昆虫、小エビなど仕入れしている。約10年前と違い、コオロギや昆虫の供給量が増えているため、今はいくらでも入荷できるという。

コオロギとその他の昆虫には2つの種類がある。自然のものと家庭で養殖されるコオロギや昆虫がある。雨季の5月頃から10月頃までの自然のコオロギや小エビ・カエル、昆虫がたくさん獲れる季節には、自然のものだけが使用され、11月から4月にかけての乾季には養殖のコオロギや昆虫を使用する。だが、自然と養殖のコオロギや昆虫には味に違いがないという。

収入や国籍を問わず一般のカンボジア人に人気だが、外国人の観光客の人気も高まっているという油揚げのコオロギや昆虫の路上商売。客は20~30代の若者が中心で、週末と祭日には平日より2~3倍ほど売れるという。

この路上ビジネスは、家族を養う収入源であるのはもちろんだが、市民からも人気で、さらに観光客にもカンボジアのユニークな食文化を提供できる。ヴォターさんはコオロギや昆虫の味を楽しんで頂けるようにこの商売をずっとやり続けたいと語る。「家族がより良い生活が送れるように、これからもこの商売を拡大していきたいのと、足を運んでくれたあらゆるお客さんがコオロギや昆虫のカリカリとした香ばしい食感を味わって頂けるように頑張り続けたいです。」

ヴォターさんは8年前からプノンペンのチュバーオンパゥ地区の賃貸アパートに2人の親(自分の)と妻、3歳の一人娘、姉の6人で生活している。油揚げのコオロギや昆虫の路上販売は、チュロイチョンワ-地区のソッカーホテル周辺の公園で毎日午後4時から夜12時までやっている。

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